令和8年度市政方針

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更新日:2026年03月02日

令和8年度予算案及び関連議案を提出するに当たり、新年度の市政運営に臨む私の所信を申し上げます。

昨年は、戦後80年という節目を迎え、社会全体ではデジタル技術の社会実装が急速に進み、生活の利便性が向上する一方で、全国的な人口減少の進行は依然として厳しく、労働力不足や地域コミュニティの維持といった課題は、より切実なものとなっています。

また、世界的な気候変動による自然災害の激甚化や不安定な国際情勢に伴う物価高騰の影響も続いています。

本年、当市は平成18年の合併から20年を迎えます。

これまで、農業、商工業、教育、そして医療、福祉など、それぞれの地域が持つ強みをもとに、「オール岩見沢」「チーム岩見沢」で、まちづくりを進めてまいりました。

しかし、現在の市政を取り巻く環境は、かつてないほど厳しい局面を迎えています。人口減少や少子高齢化に加え、物価高騰や社会保障費の増大、公共施設の老朽化など課題は山積しています。厳しい財政状況の中、これらの課題に的確に対応し、持続可能な行政運営を進めるためには、将来を見据えた変革が必要です。

中長期財政計画に基づき、公共施設の統廃合や事務事業のスクラップ・アンド・ビルドなどの行財政改革においては、これまで以上に厳しい選択が必要となります。

新年度は、新市立病院建設の着実な推進、子ども・子育て支援の更なる充実、デジタル技術を駆使した効率的な市役所づくりなど、「住みやすく、暮らしやすい岩見沢」を次の世代へ引き継ぐため、市政運営に全力で取り組んでまいります。

また、「市民主体による自主自立のまちづくり」の実現に向けて、令和10年度からを計画期間とする新しい総合計画の策定に着手いたします。

市政運営の基本姿勢

市政運営の基本は「市民の皆さまとの信頼」であり、徹底した現場主義のもと、市民本位の市政、開かれた市政の実現に努めてまいります。

また、かつてないスピードで社会が変化し、市政を取り巻く環境が一層厳しさを増す中、市役所には、迅速な行動力と変化に対する柔軟な適応力が求められます。

そのためには、市民のために働くという共通認識のもと、全庁一丸となって取り組んでいくことが重要であり、私自身が先頭に立って市政を着実に進めてまいります。

重点的に取り組む分野・新年度予算の主要施策

新年度は、次の6分野を重点的に取り組む分野として位置付け、市政を運営してまいります。

1.地域で支え合う 安全・安心なまちづくり

1点目は、「地域で支え合う 安全・安心なまちづくり」です。

地域防災計画と強靭化計画をもとに、備蓄品の計画的な整備や市庁舎を拠点とする本部体制の強化、出前講座や市民参加の防災訓練を通じた地域防災力の向上など、災害に強いまちづくりを推進いたします。

また、南空知の5つの消防本部の指令業務を一元化する高機能消防共同指令センターを整備し、消防・救急体制の広域連携に取り組みます。

引き続き迅速かつ効率的な除排雪の実施、地域自主排雪やボランティア除雪への支援、雪下ろし・間口除雪・定期排雪への助成、除排雪でのICT活用など、市民の冬の暮らしと地域経済を支える総合的な雪対策を進めてまいります。

町会会館へのエアコン設置に対する補助など、地域の活動拠点の整備を支援するほか、ワーク・ライフ・バランスの推進や性の多様性の理解促進に取り組むとともに、困難を抱える女性を支援するため、新たに女性相談支援員を配置します。

2.みんなが健康で元気に暮らせるまちづくり

次に、重点分野2点目の「みんなが健康で元気に暮らせるまちづくり」です。

市民一人ひとりと、まち全体の健康を高め、活力ある地域社会の創出へとつなげる「健康経営」の考えのもと、北大COI―NEXTとの連携により、産学官金が一体となった「健康コミュニティ」の取組みを推進いたします。

また、「いわみざわ健康ひろば」での健康チェックや各種健診の実施と、「健康ポイントアプリ」の活用による個人の健康づくり活動を支援するとともに、がん検診の丁寧な周知・勧奨を通じた受診しやすい環境づくりと受診率の向上を図るほか、医療費データを活用した健康課題の分析や生活習慣病の重症化予防支援、新たに追加されるRSウイルスワクチンを含む定期接種、フレイル予防啓発などに取り組みます。

住み慣れた地域での自立した生活を支援する「地域包括ケアシステム」の推進に取り組むとともに、誰もが助け合い、支え合いながら、安心して暮らせる共生社会の実現を目指し、多様なニーズに応えるための相談支援体制を整え、適切なサービスを提供してまいります。

また、アールブリュット作品の鑑賞機会の提供を通じた障がいに対する理解促進に、引き続き取り組んでまいります。

市立総合病院については、4月の北海道中央労災病院との統合による機能と資源の集約を通じた経営基盤の強化と経営強化プランに基づく経営改善に取り組み、引き続き南空知の中核病院として、救急医療、高度医療をはじめとする安全・安心で良質な医療を提供してまいります。

また、令和10年秋の開院に向けた新病院建設工事の着実な推進、医療機器の計画的な整備と運営計画の検討を進めてまいります。

3.活力と賑わいに満ちた 魅力あふれるまちづくり

次に、重点分野3点目の「活力と賑わいに満ちた 魅力あふれるまちづくり」です。

基幹産業である農業の振興については、スマート農業の普及促進と科学的根拠に基づく「土づくり」との連動を通じ、競争力の強化と農業所得の向上に努めてまいります。

また、新たな地域資源として、気候、土壌、地勢、そして「人」といった地域の個性が生むワイン産地の価値「テロワール」の創出に向けて、醸造用ぶどうの生産量拡大に取り組みます。

国や北海道と連携し、北村・大願地区での「国営緊急農地再編整備事業」など、農業基盤整備を着実に進めるとともに、農業水利施設の適切な保全管理や経営基盤の強化に努めてまいります。

また、関係機関や団体で構成する有害鳥獣対策協議会や猟友会等と連携を図り、農産物への被害の防止、軽減に取り組むとともに、ヒグマ被害対策の強化を図ります。

公共投資である普通建設事業費を一定水準確保するとともに、創業支援や事業承継の促進、プレミアム建設券の発行などを通じて、地域経済の好循環へとつなげてまいります。

また、市内の消費喚起を図るため、国の経済対策を活用したプレミアム商品券の発行に取り組みます。

商工業者や関係団体と連携し、「あそびの広場」や「であえーる岩見沢」を核とした、まちなかの賑わい創出や回遊性の向上を図るほか、新商工会議所会館の建設を見据えた中心市街地活性化基本計画の認定に向けて取り組むとともに、ICTや食品製造関連産業など、地域特性を活かした企業誘致を進めてまいります。

岩見沢市観光協会と連携し、メープルロッジや北村温泉などを核に、インバウンドやマイクロツーリズムを意識したプロモーションを展開し、バラ園やワインといった当市が持つ地域資源を活かした誘客を促進するとともに、特産品の販路拡大に取り組みます。

4.豊かな心と生きる力をはぐくむまちづくり

次に、重点分野4点目の「豊かな心と生きる力をはぐくむまちづくり」です。

「こども家庭センター」を中心とした母子保健と児童福祉の一体的な相談・支援と、「すこやか健康手帳アプリ」や子育てポータルサイトを活用した情報発信に取り組むとともに、母子健康調査や乳児家庭全戸訪問に加え、新たに5歳児健診を開始し、子どもの社会的な発達状況の把握と就学に向けた支援の充実を図ります。

また、引き続き妊娠期から出産・子育てまで一貫して行う伴走型相談支援や不妊・不育症治療費の助成を行うほか、若い世代が命の大切さや子育てに触れ合う機会を通じ、出産や子育てを自分事として捉えるためのライフデザイン支援に取り組みます。

子育てに関する経済的負担の軽減については、これまで進めてきた3歳未満児の保育料引下げや、高校生年代までの入院・通院医療費無料化のほか、4月から市の独自支援を上乗せし、小学生の学校給食費を無償化します。

また、0歳6か月から満3歳未満の子どもを毎月一定時間、保育所等に預けることができる「こども誰でも通園制度」を新たに実施するなど、保育・幼児教育の充実に取り組みます。

教育委員会と連携し、くりさわ学舎校舎整備基本設計を策定するとともに、GIGAスクール構想に基づく児童生徒端末の更新、旧美流渡中学校校舎の活用による芸術文化活動の展開や第3種公認の更新に向けた陸上競技場の改修を進めてまいります。

北海道教育大学岩見沢校との連携については、有明交流プラザ内の「i-BOX」を核とした学生の活躍の場の創出に引き続き取り組むとともに、芸術文化・スポーツという専門性に加え、同校の持つ知見・人材等を活かした大学と地域をつなぐ取組みを推進いたします。

5.自然と調和した 快適で暮らしやすいまちづくり

次に、重点分野5点目の「自然と調和した 快適で暮らしやすいまちづくり」です。

都市計画マスタープランと立地適正化計画に基づき、コンパクト・プラス・ネットワークによるまちづくりを推進するとともに、西20丁目通の令和9年度の工事着手に向けて、北海道への要望やJR北海道との協議を進めるほか、生活道路の改良舗装、橋りょうや幹線道路の長寿命化に取り組みます。

地域公共交通計画に基づき、利用の減少や乗務員不足といった課題に対し、持続性と利便性のバランスを図りながら、公共交通体系の確保に取り組みます。

上下水道については、安全で快適なライフライン機能として、計画的な施設整備と効率的な運営に努めてまいります。

緑の基本計画に基づき、緑地の保全と利活用に取り組むとともに、「いわみざわ公園バラ園」を核として、市の花「ばら」によるまちづくりを市民と協働で推進いたします。

また、新市立病院建設地に隣接する水明公園の再整備に取り組みます。

ゼロカーボンシティの実現に向けた地球温暖化防止実行計画に基づき、太陽光発電設備の導入補助や有明交流プラザの照明のLED化など、温室効果ガス排出量の削減に努めてまいります。

地域特性であるICT環境を活用し、産学官民の連携・共創のもと、市民生活の利便性や経済活動の効率性の向上を図る地域社会DXの取組みを進めてまいります。

6.市民とともに創る 持続可能で自立したまちづくり

最後に、重点分野6点目の「市民とともに創る 持続可能で自立したまちづくり」です。

様々な対話の機会を通じた、市民の皆さまの想いの共有と市政への反映に努めるとともに、広報誌やホームページ、SNSなど多様な手段を活用して、市民目線に立った情報発信とともに、子育て環境をはじめとする当市の魅力を、より多くの方に興味・関心を持っていただくプロモーション活動に取り組みます。

行政サービスの充実については、スマートデジタル自治体の取組みを推進し、「書かない窓口」やキャッシュレス決済、電子申請など、市民の皆さまへの質の高いサービスの提供と、人工知能(AI)の段階的活用など、業務の効率化と組織のスリム化を進めてまいります。

社会情勢の変化や新たな課題に的確に対処する政策形成能力や課題解決能力の向上に向け、職員研修や人事交流を通じた人材育成に取り組み、複雑かつ高度化する行政課題に対応する組織を構築してまいります。

今後の厳しい財政見通しを踏まえ、市民の皆さまへの丁寧な説明に留意しながら、公共施設の具体的な再編を進めてまいります。

広域行政の推進については、昨年スタートした「南空知定住自立圏」において、行政事務の効率化や経営資源の共同利用、システムの共同調達などに取り組み、圏域の人口規模が縮小する中においても、質の高いサービスを持続的に提供し、将来にわたって安心して暮らし続けられる地域づくりを推進いたします。

むすび

令和8年度の予算は、「選択と集中」の視点に立ち、限られた経営資源の最適配分に努めるとともに、新たに導入した枠配分方式による各部局の裁量と創意工夫のもと、事務的経費の削減を図る一方で、子ども・子育て支援をはじめとした、地域の未来に資する事業に対しては、重点的に配分いたしました。

その結果、一般会計の総額は485億円、前年度比0.8パーセントの増、特別会計と企業会計を合わせた総額は1,004億3,400万円、前年度比1.8パーセントの増となりました。

厳しい財政状況の中、財政調整基金から、9億7,000万円を繰り入れいたしますが、中長期財政計画の着実な推進に加え、国の経済対策を効果的に活用することにより、将来を見据えたまちづくりと持続可能な財政運営の両立に取り組んでまいります。

以上、令和8年度の市政方針と所信を申し上げました。

議員各位並びに市民の皆さまのご理解とご協力を賜りますよう、お願い申し上げます。

この記事に関するお問い合わせ先

企画室
〒068-8686 北海道岩見沢市鳩が丘1丁目1番1号
直通電話:0126-35-4834
代表電話:0126-23-4111
ファックス:0126-23-9977


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