高精度測位補正情報(RTK-GNSS)の活用
RTK-GNSS基地局を市内4か所に設置
農業の効率化及び生産性向上に資する情報として、トラクターの自動操舵(オートステアリング)や自動運転に必要な高精度測位補正情報を市内に設置したRTK-GNSS基地局から配信しています。
これにより、トラクター等が走行するラインの重複幅が削減されるなど、作業時間の短縮や就農経験の浅い農業者でも効率的に正確な作業ができるようになります。
RTK-GNSS基地局の概要
岩見沢市では、平成25年に2基、平成26年に1基、令和元年に1基設置し、現在4基体制で運用しています。通常のGPS単体では、自動操舵システムなどのスマート農業機器による農作業の誤差が数メートル前後生じると言われておりますが、RTK-GNSS基地局から配信される高精度測位補正情報を利用すれば、その誤差を2~3センチメートルまで縮めることができます。
「RTK」とは「リアルタイムキネマティック」の略で、地上に設置した「基準局」からの位置情報データによって、高い精度の測位を実現する技術のことです。また、「GNSS」とは「全球測位衛星システム」のことで、GPSなど、衛星を用いた測位システムの総称です。
効果・メリット
掛け合せ幅の減少
機械作業が重なる部分が少なくなるため作業時間の短縮や減肥、燃料費等の削減に繋がる。
旋回の効率化
通常は隣のラインへUターンで入るため、バックや切り返し運転をする必要があり、枕地も傷みやすくなるが、自動操舵ではラインを数本飛ばして一筆書きで走ることができる。
直進精度の向上
等間隔で設定したライン上をトラクターが正確に走るので作業精度が上がる。播種や施肥もラインからずれることが減るため、ムラなく作業ができ、運転技術が未熟な人の作業のサポートが可能となる。
作業軌跡の見える化
作業の終わった場所はガイダンス上で色分けされ、ひと目で判断が可能となる。また、天候の変化で作業を中断しても同じ場所から再開が可能となる。
手放し運転
直線ではハンドルを握らなくても真っすぐ走ることができるため、作業機の様子などを確認するのに後ろを振り返りながら無理な姿勢で運転したり、長時間集中したりする必要がなくなり、オペレーターの疲労が大幅に軽減する。
夜間作業が可能
ガイダンスと自動操舵があると天候や作業スケジュールの関係で夜間作業が必要な場合でも、正確な作業が可能となる。
マーカーの省略
ブロードキャスターなどで肥料や農薬を散布する際も、目印が不要となるため、作業時間の短縮に直結する。
設置場所
鉄北基地局 | 鉄北地区多目的研修会館(屋上) |
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栗沢基地局 | 岩見沢市役所栗沢支所(屋上) |
上幌向基地局 | 岩見沢市上幌向町895(自営柱) |
北村基地局 | 岩見沢市役所北村支所(屋上) |
配信方式
無線 |
周波数352MHz帯の業務用無線として無線送信を行っています。 市内4局全て無線方式を採用 |
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Ntrip |
インターネットを経由して、基地局や移動局でやり取りされる位置情報の補正データを配信しています。 市内4局のうち2局は無線方式のほかNtrip方式を採用 |
利用申込先
無線 |
いわみざわ農業協同組合 農業振興部門 電話 0126-22-6924 |
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Ntrip |
株式会社スマートリンク北海道 電話 0126-33-4141 |
「ICT地域活性化大賞2016」で奨励賞を受賞
様々な課題(人口減少、少子高齢化、医師不足、災害対応、地域経済の衰退等)を解決するため、それぞれの地域において様々な取り組みがなされており、これらの地域課題の解決に資するICT(情報通信技術)の利活用を普及促進していくことを目的として、先進的な取り組みを表彰するもので、岩見沢市は、高精度測位情報を活用したスマート農業と除雪作業での活用をテーマに「奨励賞」を受賞しています。
更新日:2022年08月05日