教育行政方針

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更新日:2024年02月26日

令和6年度教育行政方針

1.はじめに

令和6年第1回定例会の開会にあたり、令和6年度の岩見沢市教育行政の執行に関する基本的な方針について申し上げます。

新型コロナウイルス感染症が5類感染症に移行し、活動に関する制限が緩和され、市内の教育機関では、子どもたちの笑顔や、集団で生き生きと活動する姿が見られるようになりました。

次代を生きる子どもたちには、社会が急激に変化し、その変化が予測できない中において、失敗に挫けず、困難にも怯むことなく、「正解」のない問いに果敢に取り組みながら、未来を切り拓いていくことが求められています。

国では、令和5年6月、新しい時代にふさわしい質の高い教育の実現に向けた「第4期教育振興基本計画」がスタートし、また、北海道教育委員会においては、北海道が目指す「自立」と「共生」の理念を継承した新たな北海道教育推進計画の下、教育課題の解決に取り組んでいます。

岩見沢市教育委員会では、このような国や道の動向を踏まえるとともに、岩見沢市教育大綱で示す「教育は、未来を生きる人を育てることを通して、未来を創造する営みであり、人を幸せにするものである」という基本理念に基づき、一人一人が持つ可能性を伸ばし、より豊かな人生を過ごせるよう、『未来のトビラを拓く、教育のまち 岩見沢』として、子どもたち、保護者、地域住民、市民の期待や信頼に応えてまいります。

以下、本年度の施策の概要について述べてまいります。

2.学校教育の推進

はじめに、「学校教育の推進」についてです。

一人一人の子どもたちが秘めている可能性を自ら広げる意味を込めて、「子どもが煌めく学校教育」を推進してまいります。

1 新しい時代に対応できる力の育成

1点目は、「新しい時代に対応できる力の育成」についてです。

子どもが豊かな人生を切り拓いていくうえで必要な力を育み、自立した学習者へと成長させるために、「主体的・対話的で深い学び」の視点に立った授業づくりによる、確かな学力の追究に努めてまいります。

そのため、小中学校においては、何を学ぶかだけではなく、どのように学ぶのかを重視することができるよう、身につける資質・能力を明確にし、子どもとの対話を通して、「教える」べきことを教え「考えさせる」べきことを考えさせる授業を展開いたします。

その中で、「学習スキルの向上」と「学習ルールの徹底」による子どもたちの学びの形成に努めるとともに、学力向上の基盤となる「傾聴・受容・共感」の信頼関係に基づく学習集団づくりを強化いたします。

また、学校として統一性・一貫性のある校内研修の推進と活性化を図る中で、カリキュラム・マネジメントに基づいた、特色ある教育課程の工夫・改善を行い、「授業づくり=学校づくり」の視点に立った『学び続ける学校』への組織的な改善を推進してまいります。

そのため、各種調査等による検証と対策の促進、コミュニティ・エリアにおける義務教育9カ年を見通した組織的な学力向上、並びに、ピア・サポートの推進や「目指す子ども像」の共有に努めてまいります。

さらに、GIGAスクール構想による1人1台端末を効果的に活用した授業づくりやデジタル教材等を活用した授業実践と基礎学力の定着に向けた取組みを推進し、全ての子どもたちの可能性を引き出す、個別最適な学びと、協働的な学びの一体的な充実を図ってまいります。

また、外国語指導助手(ALT)の有効活用と「英語が使える岩見沢の子ども」の育成に向けて、外国語教育の充実を図ってまいります。

そのほか、大学の教員による出前授業や協力授業など、北海道教育大学岩見沢校との連携を図った教育活動を強化するとともに、学校が企画・立案する学力向上や地域との連携などの取組みを積極的に支援し、学校が組織的に機能する学校力、及び学力の向上を図ってまいります。

2 豊かな人間性と健やかな体を育成する教育の推進

2点目は、「豊かな人間性と健やかな体を育成する教育の推進」についてです。

子どもたちの豊かな人間性を育成するため、よりよい学習集団づくりにつながるピア・サポートの取組みを通して自尊感情や自己有用感を育むとともに、誰もが自己の成長を実感し、達成感の持てる授業づくり、子どもの気持ちに寄り添う日常的な子ども理解に基づく指導の徹底に努めてまいります。

また、郷土資料や副読本等を活用し、子どもたちが岩見沢の人・歴史・文化・自然・産業などを学ぶことにより、ふるさとに愛着と誇りを持てるよう「ふるさと教育」を推進してまいります。

さらに、道徳教育の充実を図り、命を大切にする心、他人を思いやる心など、より良い生き方を創出する「心の教育」を推進してまいります。

そのほか、体験活動や読書活動を通して、感性を磨き、自ら学び考える力を育ててまいります。

健やかな体の育成に関しては、すべての学年で行う体力テストの結果に基づき、体育の授業改善と9カ年を見通した体力づくりに取り組み、体力の向上や運動の習慣化を図ってまいります。

あわせて、子どもたちがスポーツや芸術文化に継続して親しむ機会を確保するため、部活動の地域移行を進めてまいります。

また、全国学力・学習状況調査を踏まえた「望ましい生活・学習習慣の定着」の啓発活動に努めるとともに、薬物乱用防止教育や防災教育の充実を図り、自らの判断で自分の命を守ることのできる力を養ってまいります。

3 育ちと学びを支える教育環境の充実

3点目は、「育ちと学びを支える教育環境の充実」についてです。

「岩見沢市いじめ防止基本方針」に基づく「いじめの積極的な認知」と「いじめ見逃しゼロ」をはじめとした組織的な対応を推進するために、「岩見沢市いじめ問題対策連絡協議会」等の組織や「教育支援センター」と学校との連携を中心に、いじめや不登校の問題をはじめ、悩みや不安を持つ子どもや保護者の気持ちに寄り添い、幅広く支援してまいります。

また、特別支援教育支援員や学校看護師の配置などにより、子ども一人一人の能力や可能性を伸ばす特別支援教育の充実に努めるとともに、将来の生き方や望ましい職業観・勤労観を育むキャリア教育を一層推進してまいります。

さらに、学習塾と連携したオンデマンドによる教科・英検学習、長期休業中の「学び合い広場」など、多様な学びの場と機会を積極的に提供してまいります。

教育研究所では、教育の理論化と実践検証に努めるとともに、教員の実践的指導力や専門性など、キャリアステージに応じた資質・能力の向上を図る取組みを推進してまいります。

加えて、コミュニティ・エリア単位における地域が参画した特色ある教育活動の充実、及び小中学校の円滑な接続による教育を推進するため、北村、栗沢地区において実施している小中一貫教育の成果を広く発信してまいります。

また、青少年センターを中心に、学校・家庭・地域と連携しながら、街頭補導や有害環境の改善に努めてまいります。

さらに、低年齢化するデジタル端末機等の利用に対応し、青少年センターによる啓発資料や出前講座等の活用を通して、情報モラル教育やメディアリテラシーの向上を図ってまいります。

そのほか、子どもたちの安全・安心で快適な教育環境を確保するため、すべての学校の普通教室等にエアコンを設置するほか、学校施設の老朽化対策など施設設備の改修を行ってまいります。

4 信頼と期待に応える開かれた学校づくり

4点目は、「信頼と期待に応える開かれた学校づくり」についてです。

学校においては、子どもたちが未来を生き抜くために必要な資質・能力を育むことができるよう、「社会に開かれた教育課程」を実施し、教育活動や学校運営の改善・充実を図るとともに、業務の見直しや改善を図り、子どもと向き合い、子どもを徹底して大切にする教育の実現に向けた「学校における働き方改革」を推進してまいります。

また、中学校区ごとのコミュニティ・エリアを基盤とし、学校・家庭・地域が連携・協働した「地域とともに歩む学校づくり」と「学校を核とした地域づくり」を推進し、社会総がかりで子どもを育てる学校づくりを進めてまいります。

さらに、幼児期から義務教育を通して高校・大学までの連携・交流を促進し、学びの連続性を実現する教育活動を展開してまいります。

5 緑陵高等学校の教育の充実

5点目は、「緑陵高等学校の教育の充実」についてです。

市立高校として、地域を愛し、地域に貢献する心豊かな人材の育成を目指して家庭や地域と連携するとともに、ICTを効果的に活用した授業の実施など教育環境の充実を図ってまいります。また、英語教育の推進や課題研究、探究学習といった主体的な学びの充実やデジタル社会に即応できる人材の育成など、質の高い教育を提供してまいります。

さらに、普通科、情報コミュニケーション科の併置校という特色を活かして生徒の興味関心に応え、多様な進路を可能とする教育課程を編成・実施し、将来の自己実現に向けた資質・能力を育成する活力と魅力ある学校づくりを推進してまいります。

6 学校給食の充実

6点目は、「学校給食の充実」についてです。

学校給食共同調理所においてHACCPに基づいた食品の衛生管理を徹底し、新鮮で安全な地元産の食材を積極的に活用するほか、温かいものは温かく、冷たいものは冷たいまま、美味しさと栄養のバランスに配慮し、子どもたちに喜ばれる学校給食の提供に努めてまいります。

また、栄養教諭による食育の授業や共同調理所の見学等を通して子どもたちが食に対する関心を高め、生産者や給食に関わる全ての人への感謝の気持ちを持つとともに、望ましい食習慣を身につけることができるよう、食育の充実に取り組んでまいります。

食物アレルギーへの対応については、子どもの命と健康を守ることを最優先とし、家庭や学校と連携して、安全で、安心な学校給食の提供に取り組んでまいります。

また、市民に学校給食への理解を深めていただけるよう、給食試食会や学校給食展など各種事業に取り組んでまいります。

3.社会教育の推進

次に、「社会教育の推進」についてです。

市民一人一人が未来に希望をもって生き生きと学び、創造性に富んだ豊かな人間性を育み、潤いのある地域づくりにつながるよう「生涯にわたって主体的に学ぶ環境づくり」を推進してまいります。

1 生涯学習の充実

1点目は、「生涯学習の充実」についてです。

子どもから高齢者まで、誰もが生涯にわたって学ぶことの楽しさを実感し、生きがいのある豊かな生活を送るため、生涯学習センターを拠点に「いわみざわチャレンジスクール」や「いわみざわ市民大学」の開催など多様な学習機会の充実を図るとともに、学習成果を活かせる場の提供にも努め、社会参加を促す環境づくりを進めてまいります。

また、郷土科学館では郷土の歴史や生活文化資料を収集及び保存するとともに、科学に関する体験活動やプラネタリウムの活用を通して、郷土理解や科学への関心を深めることができるよう、取り組んでまいります。

2 芸術文化・スポーツ活動の推進

2点目は、「芸術文化・スポーツ活動の推進」についてです。

芸術文化・スポーツは、創造性や感受性を育み、また、健康増進や達成感など、人々の生活に潤いと心身両面に豊かさをもたらします。

芸術文化の鑑賞や活動機会の充実のため、岩見沢文化連盟との連携による「市民の文化祭」をはじめ、市民会館や絵画ホールなどにおける各種事業の実施に取り組むとともに、郷土の歴史や文化を後の世代に継承していくため、指定文化財の保存や活用、各種郷土芸能を次世代に守り伝える取り組みを進めてまいります。

また、生涯を通して、スポーツに親しむことができるよう、北海道教育大学岩見沢校と連携したスポーツ教室をはじめ、歩く健康づくり事業や「アダプテッド・スポーツ」の普及・促進、さらには、文化・スポーツ団体の活動や全国大会出場者、強化指定選手に対する支援を行うほか、様々な活動の拠点となる文化・スポーツ施設の適切な維持管理を行い、安全で快適な環境づくりに取り組んでまいります。

3 図書館運営の充実

3点目は、「図書館運営の充実」についてです。

図書館では、地域の知の拠点として図書、記録、資料などの収集・整備に努め、司書の専門性を活かした様々な情報の発信と、図書館を利用される方々がより多くの知識を得ることができる環境整備を進めるとともに、市内各所で予約本の受取や返却をすることができるよう、引き続き「地域拠点サービス」を提供してまいります。

また、「第2期いわみざわの子ども読書プラン」に基づき、ブックスタート事業のほか、学校図書館や児童館・放課後児童クラブ等との連携など、幼児期から子どもたちが本に触れる機会の充実に努めます。

さらに、社会教育施設や市民団体との連携・協力により幅広い世代の読書活動を推進してまいります。

4.おわりに

岩見沢が持つ多様な自然や文化、教育施設、農業や観光などの様々な産業、これらの特色を生かした地域社会は、子どもたちの無限なる可能性を引き出すための、この上ない資源となります。

岩見沢市教育委員会は、このような資源を最大限に活かしながら、学校・家庭・地域・行政による連携をこれまで以上に深め、学ぶことの楽しさ、分かることの喜び、支え合うことのすばらしさを実感できる教育の実現を図り、「岩見沢で子育てがしたい」「岩見沢で学びたい」「岩見沢に住みたい」と誰もが思える教育施策の推進に努めてまいります。

議員の皆さま、市民の皆さまのご理解、ご協力を賜りますようお願い申し上げます。

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この記事に関するお問い合わせ先

学校教育課 総務係
〒068-0024 北海道岩見沢市4条西3丁目1番地 であえーる岩見沢4階
電話:0126-35-5121
ファックス:0126-25-2995


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