教育行政方針

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更新日:2026年03月02日

令和8年度教育行政方針

1.はじめに

令和8年第1回定例会の開会にあたり、新年度の岩見沢市教育行政の執行に関する基本的な方針について申し上げます。

人口減少やグローバル情勢の混迷、自然災害の激甚化、さらには生成AIなどデジタル技術の進展といった大きな変化が相俟って、社会や経済の先行きが予測不可能な時代を迎えています。

また、国連の推計によれば、2050年までに日本の100歳以上の人口は100万人を突破するとされており、厚生労働省でも2007年に生まれた子どもの半数は107歳以上生きると報告されています。

このような背景において、人生100年時代を豊かに生きていくためには、これまでとは違った価値観や生き方の転換が必要となります。

それは、高校・大学を卒業し、終身雇用で同一の企業に勤め、定年で引退して余生を過ごすという3ステージ型の人生モデルから、学び直しやスキルの再構築を重ね、様々なキャリアを経験していくというマルチステージ型の人生モデルです。

次期学習指導要領の改訂に向けた論点整理においても、このような将来を見据え、生涯にわたって主体的に学び続け、多様な他者と協働しながら、自らの人生を舵取りしていく力を育むことが示されました。

岩見沢市教育委員会では、国の施策の方向性を踏まえつつ、岩見沢市教育大綱が示す「教育は、未来を生きる人を育てることを通して、未来を創造する営みであり、人を幸せにするものである」という基本理念に基づき、『生きがいと希望の風が薫る 教育のまち 岩見沢』をビジョンとして掲げ、子どもから大人まで誰もがこのまちで育ち、このまちで学び、このまちで暮らしてよかったと実感できる教育行政を推進してまいります。

以下、本年度の施策の概要について述べさせていただきます。

2.学校教育の推進

はじめに、「学校教育の推進」についてです。

これからの学校教育においては、一人一人の子どもが持つ可能性を開花させ、主体的に学び続ける力を育むことが求められています。

そのためには、子ども自身が「学ぶ楽しさ」と「伸びる喜び」を実感できることが肝要です。

こうした考えのもと、本市では新たに『キミがHERO』を合言葉として、子どもを主人公とした学びを自分事とする学校教育を推進してまいります。

1 新しい時代に対応できる力の育成

1点目は、「新しい時代に対応できる力の育成」についてです。

子どもを主人公にした誰一人として取り残さない学びを実現するために、「個別最適な学び」と「協働的な学び」を一体的に充実し、教師主導から学習者主体による授業の質的転換を図ってまいります。

そのため、校内研修の活性化を図り、一体感と計画性のある授業改善を進めるとともに、「主体的・対話的で深い学び」の視点に立って、身に付けるべき資質・能力を明確にし、子どもが「学ぶことの楽しさ」や「わかることの喜び」を実感できる授業を実践してまいります。

また、学びを自分事とする授業の質的転換を促進するため、デジタル学習基盤を効果的に活用し、「個に応じた学習」を一層充実させます。

さらに、「学習スキル(学び方、見方・考え方)の向上」と「学習ルール(姿勢・態度)の徹底」による子どもたちの学びの形成に努めると同時に、『岩見沢型ピア・サポート』の取組みを通して、子どもが安心して学ぶことができる学習集団づくりを推進してまいります。

加えて、昨年度から導入している授業時数特例校制度を拡充し、教職員一人一人が当事者意識を持って、裁量を活かしたカリキュラム・マネジメントを実施し、子どもたちにとって「学ぶ意欲に満ちた学校」となるよう創意工夫ある教育課程の改善を行います。

あわせて、全国学力・学習状況調査など、各種調査による学びの検証と改善策に基づき、基礎的・基本的な知識・技能の確実な習得や、家庭学習の習慣化に向けた取組みを図ってまいります。

そのほか、コミュニティ・エリアにおける小中連携を通して、9か年を見通した学力向上を図るとともに、北海道教育大学岩見沢校との連携を一層強化し、専門性を活かした指導や魅力ある教育活動を展開してまいります。

英語が使える岩見沢の子どもの育成に向けては、外国語指導助手(ALT)の有効活用のほか、土曜キッズ英会話の開催などを行い、外国語教育のさらなる充実を進めてまいります。

2 豊かな人間性と健やかな体を育成する教育の推進

2点目は、「豊かな人間性と健やかな体を育成する教育の推進」についてです。

子どもたちの豊かな人間性を育成するため、自尊感情や自己有用感・規範意識等を育むとともに、他者を理解し、共に支え合う人間関係づくりを進めてまいります。

なかでも、包括的生徒指導(MLA)に立脚した『岩見沢型ピア・サポート』の取組みにより、不登校児童生徒は減少傾向にあります。

こうしたことから、引き続き全校的な活動を展開し、子ども同士の絆や教師と子どもの信頼を深める日常的な指導に努めてまいります。

また、郷土資料やデジタル社会科副読本等を活用し、子どもたちが岩見沢の人・歴史・文化・自然・産業などを学ぶことにより、郷土に愛着と誇りを持てるよう「ふるさと教育」の充実に取り組んでまいります。

さらに、道徳教育においては、命を大切にする心や他人を思いやる心など、自立した人間として他者と共によりよく生きるための基盤となる「心の教育」を推進してまいります。

そのほか、体験活動や読書活動を通して、感性を磨き、自ら学び、考える力や表現力・想像力を育成してまいります。

健やかな体の育成については、全国体力・運動能力、運動習慣等調査の結果を踏まえ、体育の授業改善と9か年を見通した体力づくりに取り組むことで、体力の向上や運動の習慣化を図ってまいります。

あわせて、「望ましい生活・学習習慣の定着」に努めるとともに、薬物乱用防止教育や防災教育の充実を図り、自らの判断で自分の命を守ることのできる力を育成してまいります。

また、各種団体や関係機関と連携し、子どもたちがどの学校に通っていてもスポーツや芸術文化に親しむことができるよう、部活動の地域展開を進めてまいります。

3 育ちと学びを支える教育環境の充実

3点目は、「育ちと学びを支える教育環境の充実」についてです。

地域全体で子どもの学びと成長を支えるため、学校運営協議会と地域学校協働本部を両輪として一体的な活動を推進し、特色ある教育活動に努めてまいります。

また、学習塾と連携したオンデマンドによる教科や英検の学習、及び長期休業中の「学び合い広場」など、多様な学びの機会を積極的に提供し、一人一人の子どもの学習意欲やニーズに応じた学びを支えてまいります。

いじめ防止については、「岩見沢市いじめ防止基本方針」に基づき、いじめを積極的に認知し、見逃しを防止するとともに、子どもがいつでも相談できる体制の充実を図ってまいります。

また、教育支援センターと学校との連携をはじめ、関係機関との迅速かつ組織的な対応を行い、悩みや不安を抱える子どもや保護者に寄り添った支援に努めてまいります。

特別支援教育については、支援員や学校看護師の配置等により、子ども一人一人の能力や可能性を伸ばす合理的配慮に努めるほか、将来の生き方や望ましい職業観・勤労観を育むキャリア教育を進めてまいります。

教育研究所においては、教師一人一人の実践的な指導力の向上や、子どもが主体の授業づくりをコーチングするとともに、キャリアステージに応じた教職員研修を推進いたします。

さらに、教育実践を様々な媒体を活用して市内外へ発信することで、本市の授業づくりの取組みを広く周知してまいります。

市内初の義務教育学校として、旧小学校校舎を活用し開校した「くりさわ学舎」については、9年間を見通した教育活動にふさわしい施設環境を整備するため、基本設計を実施し、新校舎整備に向けた取組みを推進してまいります。

また、子どもたちに安全・安心で快適な教育環境を確保するため、学校施設の老朽化対策など、施設設備の改修を行ってまいります。

青少年センターにおいては、学校・家庭・地域と連携しながら、街頭補導や有害環境の改善に努めるとともに、啓発資料や出前講座などを通して、情報モラル教育やメディアリテラシーの向上を図り、子どもたちが安全かつ適切に情報社会で生きていく力を育ててまいります。

4 信頼と期待に応える開かれた学校づくり

4点目は、「信頼と期待に応える開かれた学校づくり」についてです。

子どもたちが将来に必要な資質・能力を育むため、「社会に開かれた教育課程」を実施し、教育活動や学校運営の改善・充実を推し進めてまいります。

あわせて、ICTの活用などによる校務の効率化を図り、教職員が子どもと向き合う時間を大切にできる環境を整え、「学校における働き方改革」に取り組んでまいります。

また、コミュニティ・エリアを基盤として、学校・家庭・地域が連携・協働した「地域とともに歩む学校づくり」と「学校を核とした地域づくり」により、社会総がかりで子どもを育てる学校教育を推進してまいります。

5 緑陵高等学校の教育の充実

5点目は、「緑陵高等学校の教育の充実」についてです。

生徒一人一人が生き生きと学校生活を送り、主体的に学びに向かうことができる環境を持続するとともに、高度なICT機器を活用した授業の実施など、教育環境の充実を図ってまいります。

また、市立の高校として、地域や企業などとの連携を深化させ、地域を愛し、地域に貢献する人材の育成を目指してまいります。

さらに、普通科の探求学習や情報コミュニケーション科での課題研究といった主体的な学びの充実や、国の高等学校DX加速化推進事業を活用したデジタル社会に即応できる人材の育成に取り組んでまいります。

加えて、普通科と情報コミュニケーション科を併置する特色を活かし、生徒の興味関心に応じた多様な進路を可能とする教育を提供することで、将来の自己実現に向けた資質・能力を育成する「活力と魅力ある学校づくり」を推進してまいります。

6 学校給食の充実

6点目は、「学校給食の充実」についてです。

学校給食共同調理所においてHACCPに基づいた食品の衛生管理を徹底することはもとより、新鮮で安全な地元産の食材を積極的に活用し、子どもたちに喜ばれる安全・安心な学校給食の提供に努めてまいります。

あわせて、成長期にある子どもたちに必要なエネルギー量や、栄養バランスを確保した給食を安定的に提供するため、市の独自支援を加えることにより、小学生の学校給食費の無償化を実施いたします。

また、中学生についても、適正な給食費に設定した上で、国の交付金等も活用しながら保護者負担の軽減に取り組んでまいります。

引き続き、急激な物価高騰の影響も踏まえつつ、将来にわたり持続可能な給食運営を図るため、学校給食費のあり方について適切に検討してまいります。

食育については、栄養教諭による授業や共同調理所の見学などを通して、子どもたちが食に対する関心と理解を深め、生産者や給食に関わる全ての人への感謝の気持ちを育むとともに、望ましい食習慣を身につけることができるよう取り組んでまいります。

食物アレルギーへの対応については、子どもの命と健康を守ることを最優先に、家庭や学校と連携を密にし、安全で、安心な学校給食の提供に万全を期してまいります。

さらに、市民の皆さまに学校給食への理解を深めていただけるよう、ブログによる献立等の情報発信や給食試食会、学校給食展など各種事業に取り組んでまいります。

7 放課後活動の充実

7点目は、「放課後活動の充実」についてです。

子どもたちの遊びと生活の場として児童館を運営するとともに、留守家庭の小学生が安心して過ごすことができる放課後児童クラブを実施し、子ども一人一人の健やかな成長を支えてまいります。

また、異年齢交流や地域の特色を活かした体験活動に取り組むことで、子どもの社会性や主体性を育み、豊かな学びと成長を図ってまいります。

さらに、地域や関係団体と協力し、仕事と子育ての両立を支援することで、保護者が安心して働くことができる環境づくりを進めます。

加えて、放課後活動と学校との連携を一層深めることで、学校教育活動のさらなる充実にもつなげてまいります。

3.社会教育の推進

次に、「社会教育の推進」についてです。

市民一人一人が生きがいや将来への希望をもって生き生きと暮らし、創造性に富んだ豊かな人間性を培うとともに、潤いのある地域づくりにつながるよう「生涯にわたって主体的に学ぶ環境づくり」を推進してまいります。

1 生涯学習の充実

1点目は、「生涯学習の充実」についてです。

子どもから高齢者まで、誰もが生涯を通して学ぶことの喜びを実感し、生きがいに満ちた豊かな生活を送るため、生涯学習センターを拠点として「いわみざわチャレンジスクール」や「いわみざわ市民大学」の開催など、多様な学習機会の充実に取り組んでまいります。

また、郷土科学館では、郷土の歴史や生活文化に関する資料の収集・保存に努めるとともに、展示やプラネタリウムを効果的に活用し、歴史や文化、自然科学への理解や関心の醸成を図ってまいります。

2 芸術文化・スポーツ活動の推進

2点目は、「芸術文化・スポーツ活動の推進」についてです。

芸術文化の鑑賞や創作活動の機会の充実を図り、岩見沢文化連盟との連携による「市民の文化祭」をはじめ、市民会館や絵画ホールなどにおける各種事業の実施を推進してまいります。

また、郷土の歴史や文化を後の世代に継承していくため、指定文化財の保存や活用、各種郷土芸能を守り伝える取組みを支援してまいります。

加えて、改修した旧美流渡中学校については、地域資料や芸術作品の展示、各種イベントなどの利活用を通じ、多様な世代が集い、学び合い、つながる場として活用を図ることで、芸術文化活動を軸とした住民相互の交流や地域の活性化につなげてまいります。

さらに、日頃からスポーツに親しむことができるよう、北海道教育大学岩見沢校と連携したスポーツ教室をはじめ、運動やスポーツの習慣化を促進するとともに、文化・スポーツ団体の活動や全国大会等に出場する選手への支援を行ってまいります。

あわせて、多様な活動拠点となる文化・スポーツ施設については、適切な維持管理に努め、東山公園庭球場の夜間照明設備をLED化するなど、安全で快適に利用できる環境づくりを進めてまいります。

3 図書館運営の充実

3点目は、「図書館運営の充実」についてです。

図書館では、地域の知の拠点として将来を見据えた資料の収集・整備に努め、司書の専門性を活かした様々な情報発信や図書資料の効果的な活用を図ってまいります。

また、読書活動の利便性を高める取組みとして、市内各所で予約本の受取や返却ができる「地域拠点サービス」を引き続き提供するとともに、誰もが心地よく、気軽に利用できるよう図書館内の環境づくりに取り組んでまいります。

さらに、「第3期いわみざわの子ども読書プラン」に基づき、ブックスタート事業をはじめ、学校図書館や児童館・放課後児童クラブ等との連携を通して、幼児期から子どもたちが本に親しむ機会の充実に努めてまいります。

加えて、社会教育施設や市民団体などとの連携・協力により、幅広い世代の読書活動を推進してまいります。

4.むすび

以上、令和8年度の教育行政執行にあたり、主な施策について申し上げました。

岩見沢が持つ緑豊かな自然、多彩な文化、人を育む教育施設、農業や観光などの様々な産業、そしてこれらの特色を活かした地域社会は、子どもたちにとって何ものにもかえがたい教育資源です。

また、本市が進めているコミュニティ・エリア構想のもと、学校の応援団として教育活動を支えていただいている学校ボランティアの皆さまや、町内会、子ども会、同窓会、PTAなど、地域の皆さまの存在は、岩見沢の人の温もりや繋がりの「証」でもあります。

岩見沢市教育委員会としては、こうした地域の資源や人と人との繋がりを最大限に活かしながら、子どもたちをはじめ、市民一人一人が主人公として活躍し、生きる喜びと未来への希望を抱くことができる教育施策に誠心誠意取り組んでまいります。

議員の皆さま、並びに市民の皆さまのご理解、ご協力を心からお願い申し上げ、令和8年度の教育行政方針といたします。

教育行政方針PDF版

この記事に関するお問い合わせ先

学校教育課 総務係
〒068-0024 北海道岩見沢市4条西3丁目1番地 であえーる岩見沢4階
電話:0126-35-5121
ファックス:0126-25-2995


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