土壌物理性診断のすすめ

ページID : 10740

更新日:2023年06月20日

土壌物理性診断を勧める理由

近年の農業機械の大型化による過剰踏圧からくる耕盤層の発生から透水性が著しく悪化している圃場があります。こうした圃場を感覚や勘に頼ることなく土壌物理性診断で「数値による見える化」をすることによって対策実施後の効果を検証することができます。

診断データを活用することにより、圃場への有機質の投入や深耕ロータリー等による耕起作業の必要性を確認することができ、農機の立ち入り判断や作業効率の向上と近年多発する異常気象による大雨や干ばつに強い土壌の形成が図られ、作物の根域を広げることにより生産性の安定と収量や品質の向上から農業生産額、販売額の増加が期待できます。

物理性診断項目

三相分布(土の構成要素の割合)

物理性の対策を行うと「理想の割合」に近づきます

固相

土の個体部分、土以外の微生物、小動物の死骸及び分解物

  • 多くなると締まって根が入りにくい

液相

固相の間隔にある水分

  • 多いと気相が少なく根は湿害になる

気相

固相の間隔にある水がない部分

  • 少なくなると透水性が悪くなり水不足になる

飽和透水係数(土の排水性を判断する指標)

水はけが良いと値が大きく、排水性が悪いと小さい

透水係数による透水性・対応する土の種類
透水係数 透水性 対応する土の種類
10-8・10-7 事実上不透水 粘性土
10-6・10-5 非常に低い

微細砂、シルト

砂、シルト、粘土混合土

10-4・10-3 低い

微細砂、シルト

砂、シルト、粘土混合土

10-2・10-1 中位 砂及び礫
10-0・10+1・10+2 高い 正常な礫
透水係数による1日の透水距離と透水性の状況及び対策
透水係数 1日の透水距離 透水性の状況及び対策
10-2 10メートル程度

透水過多

  • 水田では漏水対策必要
10-3 1メートル程度 良好
10-4 10センチメートル程度 良好からやや不良
10-5 1センチメートル程度

やや不良

  • 有機物施用による深耕
10-6 1ミリメートル程度

不良

  • サブソイラー等による緻密層の破砕。有機物施用
10-7 0.1ミリメートル程度

不良

  • 緻密な粘土等の不透水層がある。有機物施用

pF【土壌水分保持能】(土の保水性を判断する指標)

pF値1.5から3.0の間で水管理がなされると作物生育が順調に進む

pF値による水分種別と内容
pF値 水分種別 内容
7 無効水分量 作物が利用できない力で土に保持される水分量
3~4.2 難利用水分量 作物が容易には利用できない力で土に保持される水分量
1.5~3 容易有効水分量 作物が利用できる力で土に保持される水分量
0~1.5 重力水 降雨や灌水で供給されても重力で土に保持されない水分量

診断手数料(1検体当たり)

岩見沢市民の手数料は、農業協同組合と岩見沢市が一部費用を負担します。 

1検体当たりの診断手数料一覧
区分 金額
岩見沢市民 3,000円
岩見沢市民以外 9,000円
  • 診断はすべての項目をワンセットとします
  • 「1検体当たり」とは、円筒3個(100cc1個、50cc2個)とします。円筒は貸出しますが郵送は行っておりません
  • 土壌物理性分析は、化学性と同じ土壌分析施設で行っています

参考 ステンレス試料円筒仕様(大起理化工業製)

50ミリリットル仕様(型番 DIK-1803)
内径寸法 φ(ファイ)50×25.5ミリメートル
材質 SUS304
数量 12こ布ケース入り
100ミリリットル仕様(型番 DIK-1801)
内径寸法 φ(ファイ)50×51ミリメートル
材質 SUS304
数量 6こ布ケース入り

詳しくは、同施設(電話:0126-56-2538)へご連絡ください。 

問合先

JAいわみざわの組合員

  • いわみざわ農業協同組合農業振興部門 電話:0126-22-6924

岩見沢市内のJAみねのぶ組合員

  • 株式会社スマートリンク北海道 電話:0126-33-4141

その他の方

  • 岩見沢市農業技術情報施設 電話:0126-56-2314

土壌分析に関して動画で見ることができます。

この記事に関するお問い合わせ先

北村産業振興課
〒068-1213 北海道岩見沢市北村赤川593番地1 北村支所
電話:0126-56-2001
ファックス:0126-56-2734


このページに対するお問い合わせ