○岩見沢市職員等の公益通報に関する要綱

令和6年11月28日

市長決定

(目的)

第1条 この要綱は、職員等の公益通報等に関し必要な事項を定め、職員等の職務に関する法令遵守及び公務員倫理の保持を図り、市民に信頼される公正な職務の遂行を確保することを目的とする。

(定義)

第2条 この要綱において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

(1) 職員等 次に掲げる者とする。

 地方公務員法(昭和25年法律第261号)第3条第2項に規定する一般職に属する職員及び同条第3項第2号又は第3号に規定する特別職に属する職員

 市と契約関係にある事業者及びその役職員

 上記ア、に規定する者で退職して1年以内の者

 上記アからウに規定する者のほか、市の法令遵守等を確保する上で必要と認められる者

(2) 公益通報 不正の利益を得る目的、他人に損害を加える目的その他不正の目的でなく、本市における職務上の行為に関し、第3条第1項に規定する事実が生じ、又はまさに生じようとしている旨を通報することをいう。

(3) 公益通報者 公益通報を行う職員等をいう。

(4) 公益通報窓口 公益通報を受付ける窓口は総務部職員課に置くこととする。

(公益通報の手続)

第3条 職員等は、職務上の行為に関し、法令違反行為等が生じ、又はまさに生じようとしていると思料される場合には、公益通報窓口に対して公益通報を行うことができる。

2 公益通報は、次の各号に定める事項を文書又は電子メールにより行うものとする。ただし、公益通報窓口が特に認めた場合は、この限りでない。

(1) 法令違反行為等に関する事実の内容

(2) 法令違反行為等が生じ、又はまさに生じようとしていると思料する理由

3 公益通報者は、匿名で公益通報窓口を利用することができる。

4 公益通報窓口は、公益通報を受け付けたときは、次に掲げる事項を公益通報者に説明する。ただし、公益通報者が望まない場合、匿名による通報等であるため通報者等への説明が困難である場合その他やむを得ない理由がある場合はこの限りでない。

(1) 通報等への対応に関与する職員には秘密保持義務があり、通報者等を特定させる事項その他通報等に係る情報の共有は制限されるなど、通報等に関する秘密は保持されること。

(2) 個人情報は保護されること。

(3) 通報受付後の手続の流れに関すること。

(公益通報者の責務)

第4条 公益通報者は、公益通報に際しては、誠実に行わなければならない。

2 公益通報者は、公益通報に関して行われる調査に対して、協力しなければならない。

(公益通報の受理)

第5条 公益通報を受けた公益通報窓口は、公益通報者の秘密保持に配慮しつつ、公益通報者の氏名及び連絡先を確認し、通報に係る事実の内容を確認する。

2 公益通報窓口は、公益通報を受理したときは受理した旨を、受理しないときは受理しない旨及びその理由を、公益通報者に対し遅滞なく通知しなければならない。ただし、匿名の公益通報者又は当該通知を希望しない公益通報者(以下「匿名公益通報者等」という。)に対しては、この限りでない。

3 公益通報窓口は、前項の規定により公益通報を受理した旨の通知をするときは、対応に必要と見込まれるおおむねの期間についても併せて通知するよう努める。

(公益通報委員会)

第6条 職員等からの通報された内容を検討するため、公益通報委員会(以下「委員会」という。)を設置する。

2 委員会は、職員等からの公益通報に関し調査を実施し、及び当該調査の結果に基づき必要な措置を講じるよう関係部局に求めることを職務とする。

3 委員会の委員は、総務部長、職員課長、職員係長で組織する。

4 委員長は、通報等への対応に関する業務を総括する総括責任者とし、総務部長をもって充てる。

5 委員長は、必要と認める者を会議に参加させることができる。

6 委員長に事故があるとき又は委員長が欠けたときは、あらかじめ委員長が指名する委員会の委員がその職務を代理する。

7 委員会の委員は、自己に関係のある公益通報については、会議に出席することができない。

8 委員会は、必要があると認めるときは、公益通報者その他の関係者から事情を聴くことができる。

9 委員会の庶務は、総務部職員課において処理する。

(情報を共有する者の範囲)

第7条 公益通報者を特定させる事項は、委員会、公益通報窓口に限り共有するものとし、正当な理由がない限り、当該範囲を超えて共有しない。ただし、公益通報者が予め同意した場合は、この限りでない。

(調査の実施)

第8条 公益通報窓口は、公益通報を受理した後、委員長にその旨報告する。

2 委員長は、速やかに会議を開催し、委員会において調査の必要性を検討する。特別な事情がある場合を除き、調査を行う場合にはその旨及び着手の時期を、調査を行わない場合はその旨及びその理由を、当該公益通報者に対し遅滞なく通知しなければならない。ただし、匿名公益通報者等に対しては、この限りでない。

3 委員長は、公益通報窓口である総務部職員課職員を公益通報に係る通報対象事実の調査をし、及びその是正に必要な措置をとる業務に従事する者と定める。

4 公益通報窓口は、公益通報が調査中の対象事案と同種案件であるもの、既に対象事案に関する調査又は是正措置等がとられ解決済みであるもの、公益通報をした者と連絡が取れず事実確認が取れないもの等、正当な理由がある場合を除いて、直ちに必要な調査を実施する。

5 委員会及び公益通報窓口は、調査の実施に当たっては、公益通報者の秘密を守るため、公益通報者が特定されないよう配慮しつつ、遅滞なく必要かつ相当と認められる方法により行うものとする。

6 委員会は、公益通報者に対して、適正な業務の遂行及び関係者の秘密、信用、名誉、プライバシー等(以下「秘密等」という。)の保護に支障がない範囲において、調査中の進捗状況を適宜通知するよう努めるとともに、調査結果を速やかに通知する。ただし、匿名公益通報者等に対しては、この限りでない。

7 委員会は、市長その他本市幹部職員が関与する法令等違反が明らかになった場合、調査に関する独立性を確保するため、外部弁護士のモニタリングを受けながら調査する。

8 職員等は、正当な理由がある場合を除き、公益通報に関する調査に誠実に協力しなければならない。

(是正措置等)

第9条 委員会は、調査の結果、第3条第2項各号に定める事実があった場合には、関係部局に対し、速やかに是正又は再発防止のための措置その他必要な措置(以下「是正措置等」という。)をとるよう通知するものとする。

2 前項の規定による通知を受けた関係部局は、是正措置等をとった場合には、その内容を公益通報窓口に報告しなければならない。

3 公益通報窓口は、前項の規定による報告があった場合には、その内容を委員長に報告しなければならない。

4 委員会は、是正措置等の内容を適正な業務の遂行及び関係者の秘密等の保護に支障がない範囲において、公益通報者に対し速やかに通知する。ただし、匿名公益通報者等に対しては、この限りでない。

5 委員会は、必要があると認めるときには、関係職員の処分の権限を有する者に調査結果の通知を行うものとする。

6 委員会は、法令違反行為等の是正措置等が適切に機能しているかを検証し、適切に機能していないことが判明した場合、追加の是正措置等を講ずる。

(公益通報者等の保護)

第10条 公益通報者及び公益通報に関する調査に協力した者(以下「調査協力者」という。)は、正当な公益通報をしたこと又は公益通報に関する調査に協力したことを理由として、いかなる不利益な取扱いも受けない。

2 正当な公益通報をしたこと又は公益通報に関する調査に協力したことを理由として不利益な取扱いを受けた者は、その旨を公益通報窓口に通報することができる。

3 公益通報窓口は、前項の規定による通報を受けた場合は、委員会に報告しなければならない。委員会は、当該通報に係る事実について調査するとともに、必要と認めるときには、是正措置等を講じ、又は関係部局に対し是正措置等を講じるよう通知するものとする。

4 前項の規定による通知を受けた関係部局は、是正措置等を講じた場合には、その内容を委員会に報告しなければならない。

5 委員会は、第3項の規定により是正措置等を講じた場合又は前項の規定により是正措置等を講じた旨の報告があった場合には、関係者の秘密等に配慮しつつ、その内容を公益通報者又は調査協力者に対し遅滞なく通知するよう努めなければならない。ただし、匿名公益通報者等又は調査協力者のうち匿名により協力した者若しくは当該通知を希望しない者に対しては、この限りでない。

(利益相反の排除)

第11条 委員会の委員は、次の各号のいずれかに該当する場合、対象事案に関与すすることができない。

(1) 法令違反行為等の発覚や調査の結果により実質的に不利益を受ける者

(2) 公益通報をした者又は被通報者と親族関係にある者

(3) 公正な対象事案に関する調査や法令違反行為等の是正措置等の検討又は実施を阻害しうる者

2 公益通報窓口担当者は、自らが前項各号のいずれかに該当する公益通報を受け付けた場合、他の公益通報窓口担当者に引き継ぐ。

3 公益通報に関する調査、是正措置等に関与する者は、それぞれ業務に着手する時点で、第1項各号のいずれにも該当しないことを確認し、そのいずれかに該当する場合、委員長に報告する。

4 前項の報告を受けた委員長は、前項の報告をした者を対象事案に関与させてはならない。

(通報等をした者等の探索の禁止)

第12条 職員等は、通報等をした者等の探索をしてはならない。

(秘密保持)

第13条 職員等は、本要綱に定める場合のほか、法令に基づく場合等の正当な理由がない限り、対象事案に関する情報を開示してはならず、当該情報について秘密を保持しなければならない。

2 職員等は、本要綱に定める場合のほか、法令に基づく場合等の正当な理由がない限り、対象事案に関する情報を目的外に使用してはならない。

(不正の目的による通報等の禁止)

第14条 職員等は、虚偽の通報等や、他人を誹謗中傷する目的の通報等その他の不正の目的の通報等をしてはならない。

(記録管理等)

第15条 公益通報の処理に当たっては、これらの通報の概要並びに受理の状況及び対応の経過を記録するとともにその記録及び関係資料については、公益通報者その他の関係者の秘密保持に配慮し、適切な方法で管理しなければならない。

2 この要綱の規定により行う職務に関する文書の保存期間は、5年とする。ただし、他の法令等によりこれを超える保存期間が定められているときは、この限りでない。

(委任)

第16条 この要綱に定めるもののほか必要な事項は、市長が別に定める。

この要綱は、令和7年1月1日から施行する。

岩見沢市職員等の公益通報に関する要綱

令和6年11月28日 市長決定

(令和7年1月1日施行)