○岩見沢市立総合病院放射線障害予防規程
令和元年8月19日
訓令第10号
第1章 総則
第1節 目的等
(目的)
第1条 この規程は、放射性同位元素等の規制に関する法律(昭和32年法律第167号。以下「法」という。)に基づき、岩見沢市立総合病院(以下「病院」という。)における放射線発生装置の使用及び管理並びに放射線発生装置から発生した、放射線により生じた放射線を放出する同位元素によって汚染された物(以下「放射化物」という。)の保管廃棄等に関する事項を定め、放射線障害の発生を防止し、地域住民の安全を確保することを目的とする。
(適用範囲)
第2条 この規程は、病院の放射線施設に立ち入るすべてのものに適用する。
(用語の定義)
第3条 この規程において用いる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
(1) 「放射線業務」(次号以下において「業務」という。)とは、放射線発生装置の使用及び管理又はこれに付随する業務並びに放射化物の保管廃棄又はこれに付随する業務をいう。
(2) 「放射線業務従事者」(以下「従事者」という。)とは、業務に従事するため、管理区域に立ち入る者で病院長(以下「院長」という。)が従事者として選任し、登録した者をいう。
(3) 「放射線施設」とは、使用施設、貯蔵施設及び廃棄施設をいう。
(遵守等の義務)
第4条 従事者及び管理区域に一時的に立ち入る者は、第7条に規定する主任者が放射線障害防止のために行う指示を遵守し、その指示に従わなければならない。
2 院長は、第7条に規定する主任者が、法及びこの規程に基づき行う意見具申を尊重しなければならない。
3 院長は、第14条に規定する放射線安全委員会が、この規程に基づき行う答申又は意見具申を尊重しなければならない。
第2節 組織等
(組織)
第5条 放射線発生装置の使用、安全管理等及び放射化物の保管廃棄等に従事する者、並びに放射線障害の防止に関する組織は、次のとおりとする。
(院長の職務)
第6条 院長は、院内における業務に関して安全管理上の最終的な責任を有し、業務を総括する。
(放射線取扱主任者の選任等)
第7条 院長は、放射線障害発生の防止について総括的な監督を行うため、第1種放射線取扱主任者免状所有者又は医師の中から放射線取扱主任者(以下「主任者」という。)を選任しなければならない。
2 院長は、主任者を選任したときは、選任した日から30日以内に、その旨を原子力規制委員会に届け出なければならない。これを解任したときも、同様とする。
(主任者の代理者の選任等)
第8条 院長は、主任者が旅行、疾病その他事故等によりその職務を行うことができない場合において、その職務を代行させるため、第1種放射線取扱主任者の資格を有する者の中から主任者の代理者(以下「代理者」)を選任しなければならない。
2 院長は、代理者を選任したときは、選任した日から30日以内に、その旨を原子力規制委員会に届け出なければならない。これを解任したときも、同様とする。
(放射線取扱主任者定期講習)
第9条 院長は、選任された主任者に対し法第36条の2に規定する定期講習を受講させなければならない。
(1) 主任者に選任された後定期講習を受けていない者(主任者に選任される前1年以内に定期講習を受けたものを除く。) 主任者に選任された日から起算して1年以内
(2) 主任者(前号に揚げるものを除く。) 前回の定期講習を受けた日の属する年度の翌年度の開始の日から起算して3年以内
(主任者の職務)
第10条 主任者は、病院における放射線障害の発生の防止に係る監督に関し、次の各号に掲げる職務を行う。
(1) 予防規程の制定及び改廃への参画
(2) 放射線障害防止上重要な計画作成への参画
(3) 法令に基づく申請、届出及び報告の審査
(4) 立入検査等の立会い
(5) 異常及び事故の原因調査への参画
(6) 院長に対する意見の具申
(7) 使用状況等及び施設、帳簿、書類等の監査
(8) 従事者等への助言、勧告及び指示
(9) 第14条に規定する放射線安全委員会の開催の要求
(10) 教育及び訓練の計画等に対する指導、運営及び監査
(11) 危険時の措置等に関する対策への参画
(12) その他放射線障害防止に関する必要事項
(代理者の職務)
第11条 代理者は、主任者が旅行、疾病その他事故等により不在となる期間中その職務を代行しなければならない。
(放射線使用責任者)
第12条 院長は、放射線発生装置及び放射化物の安全な取扱いを図るため放射線使用責任者(以下「技師長」という。)を選任しなければならない。
2 技師長は、放射線の管理業務及び放射線施設及び設備の保守管理業務を総括するとともに、放射線発生装置の使用等及び放射化物の取扱い等に従事する者に対し、その取扱いについて指揮監督をしなければならない。
(放射線業務従事者)
第13条 院長は、放射線発生装置及び放射化物の安全な取扱いを図るため、従事者を選任し、登録しなければならない。
3 従事者は、主任者及び技師長の命を受けて、放射線発生装置の使用及び管理等並びに放射化物の取扱い等を行う。
(放射線安全委員会)
第14条 院長は、放射線発生装置等の安全管理及び放射線障害の防止に関する必要な事項を調査し、及び審議するために、院内に放射線安全委員会(以下「委員会」という。)を置く。
2 委員会は、副院長、主任者、事務部長、医務局長、医療技術部長、看護部長、放射線科技師長及びその他院長が指名する者の委員をもって組織する。
3 委員会に委員長を置き、委員のうちから院長がこれを任命する。
4 委員長は、必要に応じて委員会を招集し、会議を主宰する。
5 委員長は、必要があると認めるときは、関係者の出席を求めることができる。
6 委員会の運営及び詳細については、別に定める放射線障害予防規程運用細則(以下「運用細則」という。)に規定する。
(令5訓令11・一部改正)
第2章 細則
第1節 使用施設等の維持及び管理
(管理区域)
第15条 院長は、放射線障害防止のため、放射線障害のおそれのある場所を管理区域に指定する。
2 技師長は、次に定める者以外の者を管理区域に立ち入らせてはならない。
(1) 従事者として登録しようとする者又は第13条の規定により登録された者
(2) 見学者等で管理区域に一時的に立ち入る者で、主任者及び技師長が承認した者(以下「一時立入者」という。)
(管理区域に関する遵守事項)
第16条 管理区域に立ち入る者は、次の各号に掲げる事項を遵守しなければならない。
(1) 定められた出入口から出入りすること。
(2) 個人被ばく線量計を指定された位置で着用すること。
(3) 管理区域内において飲食及び喫煙を行わないこと。
(4) 従事者は、主任者が放射線障害を防止するために行う指示、その他施設の保安を確保するための指示に従うこと。
(5) 一時立入者は、主任者及び従事者が放射線障害を防止するため行う指示、その他施設の保安を確保するための指示に従うこと。
2 技師長は、管理区域の入口の目につきやすい場所に取扱いに係る注意事項を掲示し、管理区域に立ち入る者に遵守させなければならない。
(巡視及び点検)
第17条 技師長は、運用細則に規定する項目について、毎年2回以上放射線使用施設の巡視及び点検を行い、記録しなければならない。
2 技師長は、前項の点検の結果、異常を認めたときは、主任者に報告し、主任者とともにその状況を調査しなければならない。
(巡視及び点検結果の報告)
第18条 技師長は、前条第2項の調査の結果、修理等の措置が必要な場合は院長に報告し、その結果について主任者に報告しなければならない。
(自主点検)
第19条 従事者は、運用細則に規定する項目について、毎年2回以上使用施設等に係る自主点検を行い、記録しなければならない。
2 従事者は、前項の自主点検の結果、異常を認めたときは、技師長に報告し、技師長とともにその状況を調査し、その結果を主任者に報告しなければならない。
3 主任者及び技師長は、前項の報告の結果、異常を認め修理等の措置が必要な場合は、院長に報告しなければならない。
(自主点検結果の報告)
第20条 従事者は、前条第1項の自主点検を終えたときは、その結果を技師長に報告しなければならない。
2 技師長は、前条第1項の自主点検の結果を、主任者を経由して院長に報告しなければならない。
2 院長は、前項の承認を行おうとするときにおいて必要があると認めるときは、その安全性及び安全対策等について委員会に諮問するものとする。
3 技師長は、第1項の修理、改善又は除染等を終えた後、直ちにその結果について主任者を経由して院長に報告しなければならない。
第2節 使用等
(放射性同位元素等の使用)
第22条 放射線発生装置を使用する者は、技師長の管理のもとに、次に掲げる事項を遵守しなければならない。
(1) 照射に先立ち、インターロック等が正常に作動することを確認し、治療室に患者以外の者がいないことを確認すること。
(2) 放射線発生装置の使用中には、その旨が自動的に表示されていることを確認すること。
(3) 遮蔽壁その他遮蔽物により適切な遮蔽を行うこと。
(4) 使用時間は、1週間につき5時間以下とし、方向利用率を超えて使用しないこと。
(5) 放射線に被ばくする時間をできるだけ少なくすること。
2 院長は、使用施設の目につきやすい場所に、放射線障害の防止に必要な注意事項を掲示しなければならない。
(放射化物の保管廃棄)
第23条 放射化物は、所定の容器に入れ、所定の保管廃棄設備に保管しなければならない。
2 放射化物保管廃棄設備の構造等については、次のとおりとする。
(1) 外部と区画された構造とすること。
(2) 扉、ふた等外部に通ずる部分には、鍵その他の閉鎖のための設備又は器具を設けること。
(3) 耐火性の構造で、放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律施行規則(昭和35年総理府令第56号。以下「施行規則」という。)第14条の7第1項7の2の基準に適合する容器を備えること。
(4) 放射化物保管廃棄設備であることを示す標識を掲示すること。
(管理区域における運搬)
第24条 所定の使用施設の管理区域において放射化物を運搬するときは、危険物との混載禁止、転倒、転落の防止、汚染の拡大の防止、被ばくの防止、その他保安上必要な措置を講じなければならない。
(病院内外における運搬)
第25条 放射化物の病院内外での運搬は、廃棄するとき以外は禁止する。
(廃棄)
第26条 放射化物の廃棄は、行わない。ただし、その必要が生じた場合は、廃棄業者等に引き渡すことによって行わなければならない。
第3節 測定
(放射線測定器の保守)
第27条 院長は、安全管理に係る放射線測定器について常に正常な機能を維持するよう保守を行い、測定の信頼性を確保しなければならない。
2 測定の信頼性を確保するための措置についての具体的な実施計画、記録その他の必要な事項は、運用細則で定める。
(令5訓令11・一部改正)
(測定の場所)
第28条 院長は、放射線障害のおそれのある場所において、放射線の量の測定を行い、その結果を評価し、記録しなければならない。
2 放射線の量の測定は、原則として1センチメートル線量当量について放射線測定器を使用して行わなければならない。
3 放射線の量の測定は、放射線測定器を用いて行うこと。ただし、放射線測定器を用いて測定することが著しく困難である場合には、計算によってこれらの値を算出することができる。
4 放射線発生装置使用施設の測定は、次の各号に従い行わなければならない。
(1) 放射線障害のおそれのある場所について、放射線の量の測定は、使用施設、管理区域境界、病室及び病院の境界においてあらかじめ定めた地点について行うこと。
(2) 実施時期は、取扱い開始前に1回、取扱い開始後にあっては、6か月を超えない期間ごとに1回行うこと。
5 放射化物の保管廃棄設備の放射線の量の測定は、保管廃棄前に1回、保管廃棄後にあっては6か月を超えない期間ごとに1回行うこと。
6 次の項目について測定結果を記録し、保存しなければならない。
(1) 測定日時(測定において時刻を考慮する必要がない場合にあっては、測定年月日)
(2) 測定箇所
(3) 測定をした者の氏名(測定をした者の氏名を記録しなくても測定の適正な実施を確保できる場合にあっては、名称)
(4) 放射線測定器の種類及び型式
(5) 測定方法
7 前項の測定結果は、技師長が5年間保存する。
8 第3項の測定に用いる放射線測定器については、点検及び校正を、1年ごとに、適切に組み合わせて行うこと。ただし、外部の機関が提供する受動型積算線量計を用いて、放射線障害のおそれのある場所において放射線の量の測定を行う場合には、運用細則に定めたものを使用することにより、点検及び校正の信頼性を確保する。
(令5訓令11・一部改正)
(個人被ばく線量の測定)
第29条 院長は、管理区域に立ち入る者に適切な放射線測定器を着用させ、次の各号に従い個人被ばく線量を測定しなければならない。ただし、放射線測定器を用いて測定することが著しく困難である場合は、計算によってこの値を算出すること。
(1) 放射線の量の測定は、外部被ばくによる線量について行うこと。
(2) 測定は、胸部(女子(妊娠不能と診断された者及び妊娠の意思のない旨を運用細則に規定する書面で申し出た者を除く。)にあっては腹部)について1センチメートル線量当量及び70マイクロメートル線量当量(中性子線については1センチメートル線量当量)について行うこと。
(3) 測定は、管理区域に立ち入る者について、管理区域に立ち入っている間継続して行うこと。ただし、一時立入者については、外部被ばくが実効線量について100マイクロシーベルトを超えるおそれのあるときに行うこと。
(4) 外部被ばくによる線量の測定結果は、次の項目について測定結果を記録すること。
ア 測定対象者の氏名
イ 放射線測定器の種類及び形式
ウ 測定部位及び測定結果
エ 測定した者の氏名(測定をした者の氏名を記録しなくても測定の適正な実施を確保できる場合にあっては、名称)
オ 測定方法
(5) 前号の測定結果は、4月1日、7月1日、10月1日及び1月1日を始期とする各3か月間、4月1日を始期とする1年間並びに本人の申出等により妊娠の事実を知ることとなった女子にあっては出産までの間毎月1日を始期とする1か月間について当該期間ごとに集計し、記録すること。
(6) 第4号の測定結果から実効線量及び等価線量を算定し、次の項目について記録すること。
ア 算定年月日
イ 対象者の氏名
ウ 算定した者の氏名(算定をした者の氏名を記録しなくても算定の適正な実施を確保できる場合にあっては、名称)
エ 算定対象期間
オ 実効線量
カ 等価線量及び組織名
(7) 前号の算定は、4月1日、7月1日、10月1日及び1月1日を始期とする各3か月間、4月1日を始期とする1年間並びに本人の申出等により妊娠の事実を知ることとなった女子にあっては出産までの間毎月1日を始期とする1か月間について当該期間について算定し、記録すること。
(8) 第6号による実効線量の算定の結果、4月1日を始期とする1年間についての実効線量が20ミリシーベルトを超えた場合は、当該1年間以降は、当該1年間を含む原子力規制委員会が定める期間の累積実効線量を当該期間について、毎年度集計し、集計の都度次の項目について記録すること。
ア 集計年月日
イ 対象者氏名
ウ 集計した者の氏名(集計をした者の氏名を記録しなくても集計の適正な実施を確保できる場合にあっては、名称)
エ 集計対象期間
オ 累積実効線量
2 前項に規定する適切な放射線測定器は、施行規則第20条第1項第3号に規定する放射線施設に立ち入る者に係る外部被ばくによる線量の測定の信頼性を確保するための措置を講じたものでなければならない。
(令5訓令11・一部改正)
第4節 教育及び訓練
(教育及び訓練)
第30条 院長は、管理区域に立ち入る者及び従事者に対し、この規程の周知等を図るほか、放射線障害の発生を防止するために必要な教育及び訓練を実施しなければならない。
(1) 実施の時期は、次のとおりとする。
ア 従事者として登録する前
イ ア以外の者は、初めて管理区域に立ち入る前
ウ 管理区域に立ち入った後及び取扱等業務の開始後にあっては、前回の教育及び訓練を行った日の属する年度の翌年度の開始の日から起算して1年以内
(2) 前号については、次に掲げる項目及び時間数について実施すること。
ア 放射線の人体に与える影響 30分間以上
イ 放射線発生装置等の安全取扱い 1時間以上
ウ 放射線障害防止に関する法令及びこの規程 30分間以上
エ その他放射線障害防止に関して必要な事項
4 主任者は、一時立入者に対して放射線障害の発生を防止するために必要な教育を、運用細則に定める項目について実施しなければならない。
5 前項の規定にかかわらず、一時立入者のうち、運用細則に定める基準を満たし、運用細則に定める項目の全部又は一部に関し十分な知識を有していると認められる者に対しては、当該項目についての教育及び訓練を省略することができる。
6 技師長は、教育及び訓練の実施について運用細則に定める項目について記録しなければならない。
第5節 健康診断
(健康診断)
第31条 院長は、従事者に対して次の各号に定めるところにより健康診断を実施しなければならない。
(1) 健康診断の方法は、問診及び検査又は検診とする。
(2) 問診は、放射線の被ばく歴の有無及び被ばく歴を有する者については作業の場所、内容、期間、線量、放射線障害の有無その他放射線による被ばくの状況について行うこと。
ア 末梢血液中の血色素量又はヘマトクリット値、赤血球数、白血球数及び白血球百分率
イ 皮膚
ウ 眼
エ その他原子力規制委員会が定める部位及び項目
(4) 健康診断は、初めて管理区域に立ち入る前に行い、管理区域に立ち入った後は1年を超えない期間ごとに行わなければならない。
2 院長は、前項の規定にかかわらず、従事者が次に該当する場合は、遅滞なくその者につき健康診断を行わなければならない。
(1) 放射性同位元素を誤って摂取した場合
(2) 実効線量限度又は等価線量限度を超えて放射線に被ばくし、又は被ばくしたおそれのある場合
(3) 従事者が被ばく等により放射線障害を受けた場合又は受けたおそれのある場合
3 院長は、次の項目について健康診断の結果を記録しなければならない。
(1) 実施年月日
(2) 対象者の氏名
(3) 健康診断を実施した医師名
(4) 健康診断の結果
(5) 健康診断の結果に基づき講じた措置
4 院長は、健康診断の実施の都度その記録の写しを対象者に対し、交付しなければならない。
5 院長は、健康診断の記録を永久に保存しなければならない。ただし、健康診断を受けた者が当院における従事者でなくなった場合又は当該記録を5年以上保存した場合においてこれを原子力規制委員会が指定する機関に引き渡すときは、この限りでない。
第6節 保健上の措置
(放射線障害を受けた者又は受けたおそれのある者に対する措置)
第32条 院長は、放射線障害を受けた者又は受けたおそれのある者に対し、保健上必要な措置を講じなければならない。
2 技師長は、従事者又は従事者以外の者が放射線障害を受け、又は受けたおそれのある場合には、主任者を経由して院長に報告しなければならない。
3 院長は、前項の報告について必要に応じて委員会の開催を指示することができる。
4 委員会の委員長は、第2項の報告について審議し、従事者が放射線障害を受け、又は受けたおそれのある場合には、放射線障害又は放射線障害を受けたおそれの程度に応じ、管理区域への立ち入り時間の短縮、立ち入りの禁止又は放射線に被ばくする恐れの少ない業務への配置転換等の措置を講じ、必要な保健指導を行うことを院長に具申しなければならない。
5 委員会の委員長は、第2項について審議し、従事者以外の者が放射線障害を受け、又は受けたおそれのある場合は、遅滞なく、医師による診断、必要な保健指導等の適切な措置を講ずるよう院長に具申しなければならない。
6 院長は、前項の具申があった場合には、適切な措置を講じなければならない。
第7節 記帳及び保存
(放射線障害の防止に関する記帳)
第33条 院長は使用、保管、運搬、廃棄及び自主点検並びに放射線障害の防止に関する教育及び訓練に係る記録を行う帳簿を備え、技師長に記帳させなければならない。
(1) 使用
ア 放射線発生装置の種類
イ 放射線発生装置の使用の年月日、目的、方法及び場所
ウ 放射線発生装置の使用に従事する者の氏名
(2) 保管
ア 放射化物の種類及び数量
イ 放射化物の保管の期間、方法及び場所
ウ 放射化物の保管に従事する者の氏名
(3) 運搬
ア 病院の外における放射化物の運搬の年月日及び方法
イ 荷受け人又は荷送り人の氏名又は名称並びに運搬に従事する者の氏名又は運搬の委託先の氏名若しくは名称
(4) 廃棄(譲渡)
ア 放射化物の種類及び数量
イ 放射化物の廃棄の年月日、方法及び場所
ウ 放射化物の廃棄に従事する者の氏名
(5) 自主点検
ア 点検の実施年月日
イ 点検の結果及びこれに伴う措置の内容
ウ 点検の実施者
(6) 教育及び訓練
ア 教育及び訓練の実施年月日及び項目
イ 教育及び訓練を受けた者の氏名
3 第1項に規定する帳簿は、各年度ごと又は放射線発生装置の使用に関する業務の廃止等を行う場合は廃止日に閉鎖しなければならない。
4 技師長は、前項の帳簿を閉鎖後5年間放射線科において保存しなければならない。
第8節 危険時及び事故時の措置
(地震、火災等の災害時の措置等)
第34条 地震、火災等の災害があった場合、その発見者は直ちに従事者等に連絡しなければならない。
2 従事者等は、前項の連絡を受けた場合又は地震、火災等の災害を発見した場合は、直ちに運用細則に定める項目について技師長への報告及び通報並びに災害の拡大防止及び避難警告等応急の措置を講じなければならない。
3 技師長は、前項の報告及び講じた措置の結果を主任者を経由して院長に報告しなければならない。
4 技師長は、管理区域において火災が発生した場合又は院内の管理区域外において管理区域、院内の放射性同位元素もしくはその収納容器に延焼する可能性のある火災が発生した場合は、直ちに院長に報告しなければならない。
5 院長は、前項の報告を受けた場合、直ちに電話連絡及びFAXにより原子力規制委員会に通報しなければならない。
6 院長は、前項の報告に対して必要に応じて委員会の開催を指示することができる。
7 技師長は、以下の基準の地震、火災等の災害が起こった場合には、従事者に運用細則に規定する項目について点検を実施させ、その結果を主任者を経由して院長に報告しなければならない。
ア 岩見沢市近郊において震度5弱以上の地震があった場合
イ 放射線発生装置、放射性同位元素使用室において火災が発生した場合
ウ 河川の氾濫等による床上浸水が発生した場合
(危険時の措置等)
第35条 放射線発生装置及び放射化物に関し、放射線障害の発生のおそれがある場合又は放射線障害が発生した場合、その発見者は直ちに従事者等に連絡しなければならない。
2 従事者等は、前項の連絡を受けた場合又は放射線発生装置及び放射化物に関し、放射線障害の発生のおそれがある場合又は放射線障害の発生を発見した場合は、直ちに運用細則に定める項目について技師長に報告するとともに、災害の拡大防止及び避難警告等応急の措置を講じなければならない。
3 技師長は、前項の報告及び講じた措置の結果を主任者を経由して院長に報告しなければならない。
4 院長は、前項の報告を受けた場合、直ちに災害の拡大防止、通報及び避難警告等応急の措置を講じなければならない。
5 放射線障害の発生のおそれがある場合又は放射線障害が発生した場合の応急の措置を講じる者は、従事者とする。
6 前項の措置を講じる従事者は、運用細則に規定する項目を遵守し、措置を講じなければならない。
7 院長は、第3項の報告に関し、必要に応じて委員会の開催を指示することができる。
8 院長は、応急の措置を講じた者、周囲にいた者又は緊急作業者が法令で定めた数値を超える被ばくをした場合、直ちにこれらの者に対して健康診断を実施し、適切な措置を講じなければならない。
9 院長は、前項の事態が生じた場合には、その旨を直ちに原子力規制委員会に報告し、その状況及びそれに対する処置を10日以内に同委員会に報告しなければならない。
第9節 情報提供
2 院長は、前項の情報の提供に関し、必要に応じて委員会の開催を指示することができる。
3 委員会の委員長は、前項の指示があった場合、委員会を開催し、情報の集約及び外部への情報提供並びに外部からの問合せに対する対応等について協議しなければならない。
4 委員会の委員長は、議決事項について院長に意見具申し、情報の提供に関しては院長が決定する。
5 情報提供及び外部からの問合せに対応する部署は、管理課とする。
6 外部へ行う具体的な情報提供の内容は、次の各号に挙げるもののうち院長が決定したものとする。
(1) 発生の日時
(2) 発生の場所
(3) 汚染の状況等による外部への影響の有無
(4) 事故の発生した場所において取り扱っている放射線発生装置の種類、出力等
(5) 応急措置の内容
(6) 放射線の測定結果
(7) 原因及び再発防止策
(8) その他必要な事項
第10節 業務の改善
(放射線障害の防止に関する業務の改善)
第37条 院長は、放射線発生装置の使用等に係る安全に関する業務の評価及び改善を継続的に行わなければならない。
2 院長は、放射線安全管理に係る最新の知見を踏まえつつ、放射線発生装置の使用等に係る安全性を向上させなければならない。
3 第1項に規定する業務の評価及び改善の手順は、運用細則で定める。
第11節 報告
(事故等の報告)
第38条 次に掲げる事態の発生を発見した者は、直ちに院長に通報しなければならない。
(1) 放射化物の盗難又は所在不明が発生した場合
(2) 運搬中の放射化物の盗難又は所在不明が発生した場合
(3) 施行規則第14条の7第1項第3号の線量限度を超え、又は超えるおそれがある場合
(4) 従事者については、実効線量限度又は等価線量限度を超え、又は超えるおそれのある被ばくが発生した場合
(5) 放射線発生装置の使用その他の取扱い及び放射化物の取扱いにおける計画外の被ばくがあった時であって、当該被ばくに係る実行線量が従事者にあっては5ミリシーベルト、従事者以外の者にあっては0.5ミリシーベルトを超え、又は超えるおそれがある場合。ただし、医療行為に伴って従事者以外の者が被ばくする場合を除く。
(6) 前各号のほか、放射線障害が発生し、又は発生するおそれのある場合
2 院長は、前項の通報を受けたときは、必要に応じて委員会の開催を指示することができる。
3 院長は、第1項の通報を受けたときは、その旨を直ちに原子力規制委員会に報告し、その状況及びそれに対する措置を10日以内に同委員会に報告しなければならない。
2 市長は、前項の報告書を当該期間の経過後3か月以内に原子力規制委員会に提出しなければならない。
附則(令和元年8月19日訓令第10号全部改正)
この訓令は、令和元年9月1日から施行する。
附則(令和5年9月6日訓令第11号)
この訓令は、令和5年10月1日から施行する。