○岩見沢市まちづくり基本条例

平成26年12月19日

条例第29号

目次

前文

第1章 総則(第1条―第5条)

第2章 市民(第6条―第9条)

第3章 議会及び議員(第10条・第11条)

第4章 市長及び職員(第12条・第13条)

第5章 市政運営(第14条―第17条)

第6章 情報共有(第18条―第20条)

第7章 市民参加(第21条―第23条)

第8章 協働及びコミュニティ(第24条・第25条)

第9章 住民投票(第26条)

第10章 連携及び協力(第27条)

第11章 条例の見直し等(第28条・第29条)

附則

私たちのまち岩見沢市は、雄大な石狩平野の東部に位置し、石炭輸送における鉄道の結節点、道央における交通の要衝として、人とモノが行き交う拠点として栄えてきました。また、過酷な開拓によって豊かな大地へと変貌を遂げたことにより、食糧基地北海道における有数の農業地帯として知られ、四季折々に人々の心に潤いとやすらぎを与える豊かな自然環境の中で、あらゆる世代が健やかに暮らすことができる都市機能を充実させながら、今日まで発展してきました。

ここに住み、集い、働き、学び、生活する私たちは、先人がつくり上げてきたこのまちを貴重な財産として受け継ぎ、厳しい社会情勢の中にあっても、世代を超え、地域を超えて、それぞれが個性や能力を発揮しながら、誰もが健康で安心して暮らすことができる自立した地域社会を実現するため、互いに力を合わせて築き、育て、未来に引き継いでいかなければなりません。

そのためには、将来の世代に対する自覚と責任のもと、市民一人ひとりがまちづくりの主体として積極的に参加するとともに、市民、議会及び市長等がそれぞれの役割を果たしながら、ともに知恵を出し、ともに汗を流し、一体となって協働のまちづくりを進めていくことが必要です。

このような認識のもと、市民主体による自主自立のまちづくりを進め、将来にわたって誰もが安心して生活できる、活力とたくましさを備えたまちを目指し、ここに岩見沢市まちづくり基本条例を制定します。

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、岩見沢市におけるまちづくりの基本理念及び基本原則を定め、市民の権利並びに市民、議会及び市長等の役割と責務を明らかにするとともに、まちづくりに関する基本的な事項を定めることにより、個性豊かで活力に満ちた地域社会を実現することを目的とします。

(定義)

第2条 この条例において使用する用語の意義は、次に掲げるとおりとします。

(1) 市民 市内に住所を有する者並びに市内で働く者、学ぶ者並びに事業活動その他の活動を営む者及び団体をいいます。

(2) 市長等 市長、教育委員会、選挙管理委員会、監査委員、農業委員会、公平委員会及び固定資産評価審査委員会をいいます。

(3) まちづくり 市民生活に係る様々な地域社会の課題を解決し、より良い地域社会を構築するための取組をいいます。

(4) 協働 市民、議会及び市長等が、共通の目的を実現するためにそれぞれの役割と責務のもとで相互の立場を尊重して、補完し、協力することをいいます。

(基本理念)

第3条 市民、議会及び市長等は、それぞれ役割を果たしながら、情報共有、参加及び協働のもと、自立した地域社会を実現する、市民主体による自主自立のまちづくりを基本理念とします。

(基本原則)

第4条 市民、議会及び市長等は、次に掲げる事項をまちづくりの基本原則とします。

(1) 情報共有の原則 市民、議会及び市長等は、まちづくりに関する情報を共有します。

(2) 参加の原則 市民は、自主的かつ積極的にまちづくりに参加します。

(3) 協働の原則 市民、議会及び市長等は、相互理解及び信頼関係に基づき、それぞれの役割と責務を認識し、協働してまちづくりを進めます。

(条例の位置付け)

第5条 市民、議会及び市長等は、まちづくりを進めるにあたっては、この条例の趣旨を最大限に尊重しなければなりません。

2 議会及び市長等は、他の条例、規則等の制定改廃においては、この条例の趣旨に基づいて行うものとします。

第2章 市民

(市民の権利)

第6条 市民は、市政に関する情報を知る権利を有します。

2 市民は、まちづくりの主体として、平等に参加する権利を有します。

3 市民は、まちづくりに関する意見を表明し、提案する権利を有します。

(青少年及び子どもの権利)

第7条 青少年及び子どもは、それぞれの年齢に応じてまちづくりに参加する権利を有します。

(市民の役割と責務)

第8条 市民は、自らがまちづくりの主体であることを自覚し、積極的に参加するよう努めるものとします。

2 市民は、自らの発言及び行動に責任を持つとともに、互いの意見及び行動を尊重するものとします。

(事業者の役割)

第9条 事業者は、地域社会を構成する一員としての社会的責任を認識し、地域社会との調和を図りながら、まちづくりの推進に寄与するよう努めるものとします。

第3章 議会及び議員

(議会の役割と責務)

第10条 議会は、市の意思を決める議決機関であり、市長等による事務の執行を監視し、及びけん制し、市民の意思を政策に反映させるものとします。

2 議会は、審議の過程その他議会の活動に関する情報を市民に提供し、開かれた議会運営に努めなければなりません。

(議員の役割と責務)

第11条 議員は、市民がまちづくりの主体であることを認識し、市全体のまちづくりの視点を持って、公正かつ誠実に職務を遂行しなければなりません。

2 議員は、広く市民の声を聴くことにより、市民の意思を把握し、これを政策に反映させるものとします。

3 議員は、議会における審議及び政策立案活動の充実を図るため、積極的に調査研究に努めるものとします。

第4章 市長及び職員

(市長の役割と責務)

第12条 市長は、自主自立のまちづくりを推進するため、公正かつ誠実に市政を執行しなければなりません。

2 市長は、市民がまちづくりの主体であることを認識し、市民の意思を反映した市政運営を進めるために必要な制度を充実させなければなりません。

3 市長は、市民の信頼に応えるため、地域社会の課題に的確に対応できる能力を持った職員の育成に努めなければなりません。

(職員の役割と責務)

第13条 職員は、広い視野に立って横断的連携を密にしながら、積極的に市民と連携して職務を遂行しなければなりません。

2 職員は、地域社会の課題に的確に対応するため、知識、技能等の向上に努めなければなりません。

第5章 市政運営

(総合計画)

第14条 市長は、将来を見据えた市政運営を行うため、最上位の計画として総合計画を策定しなければなりません。

2 市長等は、総合計画に基づいて政策を実施しなければなりません。

(財政運営)

第15条 市長は、中長期的な展望に立ち、財源の効率的かつ効果的な活用を図り、健全な財政運営を行わなければなりません。

2 市長は、財政状況を市民に分かりやすく公表するよう努めなければなりません。

(行政評価)

第16条 市長は、効率的かつ効果的な市政運営を行うため、施策等について適切な評価基準に基づく行政評価を実施し、市民参加のもと、その結果を政策に反映させるものとします。

2 市長は、行政評価の結果を市民に分かりやすく公表するよう努めなければなりません。

(危機管理)

第17条 市長は、安全で安心な市民生活を確保するため、常に不測の事態に備え、市民の生命、身体又は財産に重大な被害が生じ、又は生じるおそれがある事態(以下「災害等」といいます。)に的確に対応するための体制を整備しなければなりません。

2 市長は、災害等の発生時には、市民、関係機関等と連携し、速やかに状況を把握するとともに、対策を講じなければなりません。

第6章 情報共有

(情報共有)

第18条 市民、議会及び市長等は、互いにまちづくりに関する情報を伝え合い、共有するものとします。

(情報の提供及び公開)

第19条 議会及び市長等は、その保有する市政に関する情報を適切な時期及び方法で、積極的かつ分かりやすく市民に提供しなければなりません。

2 議会及び市長等は、市民から情報公開の請求があったときは、別に定める条例の規定により公開するものとします。

(個人情報の保護)

第20条 市民、議会及び市長等は、情報の提供及び共有を行う際には、個人情報を適切に管理し、保護しなければなりません。

第7章 市民参加

(市民参加)

第21条 議会及び市長等は、市民参加の機会を保障しなければなりません。

(市民参加の推進)

第22条 市長等は、市民のまちづくりへの参加を推進するため、活動の場の提供、環境づくり、情報の提供等その仕組みの整備に努めなければなりません。

2 市長等は、政策の立案、実施、評価等の各段階において、市民の参加を推進し、市民の意見が適切に反映されるよう努めなければなりません。

3 市長等は、広く市民の意見を聴くため、その機会の効果的な周知に努めなければなりません。

(市民の意見等)

第23条 市長等は、市民からの意見、提案等があったときは、誠実かつ迅速に対応するものとします。

第8章 協働及びコミュニティ

(協働の推進)

第24条 市民、議会及び市長等は、共通の地域課題を解決するため、対等な立場で協働してまちづくりを進めるものとします。

2 市民は、互いの市民活動を尊重し、ともにまちづくりを進めるものとします。

3 議会及び市長等は、まちづくりを目的とする市民の活動を尊重するとともに、必要な支援を行うことができます。

(コミュニティ活動の推進)

第25条 コミュニティとは、人と人との多様なつながりを基礎として、共通の目的を持ち、まちづくりに関して主体的に活動する団体をいいます。

2 市民は、コミュニティが果たす役割を認識するとともに、その活動に積極的に参加し、これを守り育てるよう努めるものとします。

3 議会及び市長等は、コミュニティの自主性及び自立性を尊重し、その活動と連携を図るとともに、公益的な活動に対して必要な支援を行うことができます。

第9章 住民投票

(住民投票)

第26条 市長は、市政に関する重要事項について、直接住民の意思を確認するため、住民投票を行うことができます。

2 市長は、住民投票の結果を尊重しなければなりません。

3 市長は、住民投票を実施しようとするときは、それぞれの事案に応じ、別に条例で定めるものとします。

第10章 連携及び協力

(連携及び協力)

第27条 議会及び市長等は、適切な役割分担のもと、国及び北海道と対等な立場で連携及び協力するよう努めるものとします。

2 議会及び市長等は、広域的な課題解決、地域の相互発展等のため、近隣自治体と積極的に連携し、及び協力するよう努めるものとします。

3 市民、議会及び市長等は、必要に応じて、市民以外の個人、団体等と連携し、及び協力するよう努めるものとします。

第11章 条例の見直し等

(条例の見直し)

第28条 市長は、この条例の施行の日から起算して5年を超えない期間ごとに、この条例の内容が社会情勢の変化等に適合したものかどうかについて検討し、その結果に基づいて必要な見直しを行うものとします。

(推進委員会)

第29条 市長は、この条例の適切な運用及び普及を図るため、岩見沢市まちづくり基本条例推進委員会(以下「推進委員会」といいます。)を設置します。

2 推進委員会は、市長の諮問に応じるほか、この条例の基本的事項について意見を述べることができます。

3 推進委員会の組織及び運営に関し必要な事項は、規則で定めます。

この条例は、平成27年4月1日から施行します。

岩見沢市まちづくり基本条例

平成26年12月19日 条例第29号

(平成27年4月1日施行)

体系情報
岩見沢市例規類集/ 第1編/第1類 規/第4章
沿革情報
平成26年12月19日 条例第29号