○岩見沢市公害防止条例

昭和49年4月1日

条例第24号

(目的)

第1条 この条例は、市民が健康で文化的かつ快適な生活を確保するうえにおいて公害の防止がきわめて重要であり、本市の自然的、社会的条件を考慮した公害防止の基本事項その他必要な事項を定めることにより、市民の健康を保護し、生活環境を保全することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において「公害」とは、事業活動その他の人の活動に伴って生ずる相当範囲にわたる大気の汚染、水質の汚濁(水質以外の水の状態又は水底の底質が悪化することを含む。)、土壌の汚染、騒音、振動、地盤の沈下(鉱物の掘採のためのものを除く。)及び悪臭によって人の健康又は生活環境に係る被害が生ずることをいう。

2 この条例にいう「生活環境」には、人の生活に密接な関係のある財産並びに人の生活に密接な関係のある動植物及びその生育環境その他の自然環境を含むものとする。

3 この条例において「特定施設」とは、工場又は事業場等(以下「工場等」という。)に設置される施設のうち、ばい煙、粉じん、有害ガス、汚水、廃液、騒音、振動、悪臭等(以下「ばい煙等」という。)を排出し、又は発生する施設であって規則で定めるものをいう。

4 この条例において「規制基準」とは、特定施設を設置する工場等において排出し、又は発生するばい煙等の量、濃度又は大きさの許容限度をいう。

(事業者の責務)

第3条 事業者は、事業活動によって生ずる公害を防止するため、その責務において必要な措置を講じなければならない。

2 事業者は、この条例に違反しない場合においても、公害を防止するため最大限の努力をしなければならない。

3 事業者は、市その他の行政機関が実施する公害防止に関する施策に協力しなければならない。

(市の責務)

第4条 市は、第1条の目的を達成するため、公害の防止に関する必要な施策を策定し、これを実施しなければならない。

2 市は、前項の施策の策定及び実施に当たっては、長期の展望にたった環境保全を基本とし、総合的かつ計画的に推進するものとする。

3 市は、広域的な公害防止を図るため、必要に応じ他の地方公共団体とともにその施策を講ずるよう努めなければならない。

(市民の責務)

第5条 市民は、自ら公害を発生させることのないよう努めるとともに市その他の行政機関が実施する公害防止に関する施策に協力しなければならない。

(年次報告)

第6条 市長は、毎年、議会に、公害の状況及び公害の防止に関する施策の報告をしなければならない。

(調査、研究、監視)

第7条 市長は、公害防止のため必要な調査、研究を行い、公害の発生状況を監視するとともにその体制の整備に努めなければならない。

(資料、情報の提供等)

第8条 市長は、市民の公害に関する知識の普及を図り、公害防止に関する思想の高揚に資するために必要な資料、情報の提供と広報に努めなければならない。

(被害者の救済)

第9条 市長は、公害に係る紛争が生じ、当事者から申し出があった場合は和解のあっせんに努めるものとする。

2 市長は、前項に規定する申し出の内容が適切であると認めるときは、必要に応じこの条例で定める公害対策審議会(以下「審議会」という。)の意見を聴き、当事者に対し講ずべき処置について勧告することができる。

(事業者に対する援助)

第10条 市長は、事業者が公害防止のために行う施設の整備について、必要な資金のあっせん及び助成、技術的な助言その他の援助に努めなければならない。

(公害防止協定等)

第11条 市長は、公害防止のため特に必要と認めるときは、事業者と公害の防止に関する協定等を締結するよう努めなければならない。

2 前項による協定等を締結するときは、審議会の意見を聴かなければならない。

(自然環境の保護)

第12条 市長は、公害の防止に関する施策と相まって、緑地の保全その他自然環境の保護に努めなければならない。

(規制基準の設定)

第13条 市長は、公害を防止するため、必要に応じ規制基準を規則で定めることができる。

2 前項の規制基準を定めようとするときは、審議会の意見を聴かなければならない。これを変更し、又は廃止しようとするときも同様とする。

(規制基準の遵守)

第14条 特定施設を設置している者は、当該工場等に係るばい煙等の排出又は発生について、規制基準を遵守しなければならない。

(特定施設の設置等の届出)

第15条 工場等に特定施設を設置しようとする者は、次の各号に掲げる事項を市長に届出なければならない。

(1) 氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては、その代表者の氏名 

(2) 工場等の名称及び所在地

(3) 特定施設の種類及びその数

(4) 特定施設の構造及びその配置

(5) ばい煙等の処理の方法

(6) その他規則で定める事項

(経過措置)

第16条 一の施設が特定施設となった際、現に工場等にその施設を設置している者(設置の工事をしている者を含む。)は、当該施設が特定施設となった日から30日以内に前条に掲げる事項を市長に届出なければならない。

(特定施設の構造等の変更の届出)

第17条 前2条の届出をした者は、当該届出に係る第15条第3号から第5号までに掲げる事項の変更をしようとするときは、その旨を市長に届出なければならない。

(受理)

第18条 市長は、前3条の規定による届出のあった場合は、届出をした者に対し30日以内に受理した旨を通知しなければならない。

2 前項の届出の受理にあたっては、ばい煙等の排出又は発生による公害防止に必要な条件を付することができる。

(実施の制限)

第19条 第15条に規定する特定施設の設置又は第17条に規定する特定施設の構造等の変更の届出をした者は、その届出が受理された旨の通知を受けた後でなければその届出に係る特定施設を設置し、又はその届出に係る特定施設の構造等の変更をしてはならない。

(氏名等の変更又は廃止の届出)

第20条 第15条又は第16条の規定による届出をした者は、その届出に係る第15条第1号又は第2号に掲げる事項に変更があったとき又はその届出に係る施設の使用を廃止したときは、その日から30日以内にその旨を市長に届出なければならない。

(承継)

第21条 第15条又は第16条の規定による届出をした者から、その届出に係る施設を譲り受け、又は借り受けた者は、当該特定施設に係る当該届出をした者の地位を承継する。

2 第15条又は第16条の規定による届出をした者について、相続又は合併があったときは、相続人又は合併後存続する法人若しくは合併により設立した法人は当該届出をした者の地位を承継する。

3 前2項の規定により第15条又は第16条の規定による届出をした者の地位を承継した者は、その承継のあった日から30日以内にその旨を市長に届出なければならない。

(事故時の措置)

第22条 事業者は、事故の発生により規制基準を超えてばい煙等を排出し、又は発生させたときは、直ちに操業の縮小又は停止をし、公害の防止に必要な措置を講ずるとともにその旨を速やかに市長に報告しなければならない。

(排出水の処理)

第23条 汚水又は廃液を排出する事業者は、その汚水若しくは廃液を公共用水域に放流し、又は地下に浸透させる場合は、沈でん槽、分離槽その他の処理施設を設けなければならない。

(水域等の汚染防止)

第24条 何人も、廃油、廃酸、廃アルカリ等の有害な物質の排出等により、公共用水域又は地下水を汚染するような行為をしてはならない。

(農薬の使用及び処理)

第25条 農作物、森林及び農林産物を害する動植物防除に用いる薬剤を使用し、又は処理するものは、その使用基準及び処理方法を遵守し、水質の汚濁、土壌の汚染等の公害を発生させてはならない。

(畜舎の管理)

第26条 畜舎を設置する者は、畜舎その他の附帯施設を整備し、汚水若しくは廃液、悪臭等を排出し、又は発生させないよう努めなければならない。

(燃焼不適物の燃焼禁止)

第27条 何人も、住宅の密集している地域においてはみだりにゴム、皮革、合成樹脂、廃油その他の燃焼又は加熱に伴って著しいばい煙、粉じん、有毒ガス及び悪臭を発生するものを燃焼又は加熱してはならない。

(自動車等の使用及び管理)

第28条 自動車等(道路運送車両法〔昭和26年法律第185号〕第2条第2項に規定する自動車及び同条第3項に規定する原動機付自転車をいう。以下本条において同じ。)を使用する者及び所有する者は、必要な整備と適正な運転を行い、大気の汚染及び騒音の防止に努めなければならない。

2 自動車等を使用する者及び所有する者は、夜間又は早朝において自動車等のエンジンを始動させたまま連続して騒音を発し、付近の静穏を害してはならない。

(拡声機の使用制限)

第29条 何人も、病院又は学校の周辺の地域その他の騒音を防止することにより、住民の生活環境を保全する必要がある地域であって規則で定める区域においては、拡声機を使用する放送(以下「拡声放送」という。)を行ってはならない。

2 前項に規定するもののほか、何人も、拡声放送については、使用時間及び場所並びに音量について規則で定める事項を遵守しなければならない。

3 前2項の規定は、規則で定める公共のための拡声放送については適用しない。

(夜間の静穏保持)

第30条 何人も、夜間(午後10時から翌日の午前6時までの間をいう。)においては、道路その他公共の場所において、みだりに付近の静穏を害する行為をしてはならない。

2 バー、キャバレー、喫茶店その他規則で定める事業を営む者は、夜間(前項に同じ。)当該事業を営む場所において、規則で定める基準を超えて音響器、楽器音等による騒音を発生させることにより付近の静穏を害する行為をし、又はさせてはならない。

(立入検査)

第31条 市長は、この条例の施行に必要な限度において、関係職員に特定施設を設置する工場等に立入り、施設、文書その他の物件等を検査させ、又は関係人に対する指示若しくは指導を行わせることができる。

2 前項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人に提示しなければならない。

(停止命令)

第32条 市長は、第24条第27条第28条第2項第29条第1項第2項及び第30条の規定に違反する行為をしている者があると認めるときは、当該違反行為の停止その他必要な措置を命ずることができる。

(改善命令)

第33条 市長は、次の各号の一に該当するときは、特定施設を設置している者等に対し、期限を定めて公害の防止の方法、建物若しくは施設の構造、配置又は作業の方法を改善するよう命令することができる。

(1) 規制基準を超えるばい煙等を排出又は発生させるおそれのあるとき。

(2) 第18条第2項の規定により付された条件の措置を講じないとき。

(3) 第23条の規定による処理施設を設置しないとき。

2 前項の規定による命令を受けた者が、その命令に基づく改善を行ったときは、速やかにその旨を市長に届出なければならない。

(使用停止命令)

第34条 市長は、前条の規定による命令を受けた者が、当該命令に従わないときは、その者に対し当該施設の使用の一時停止を命ずることができる。

2 市長は、第15条第16条及び第17条の規定による届出をしないで特定施設を使用している者があるときは、その者に対し当該施設の使用の一時停止を命ずることができる。

3 市長は、第22条の規定による事故の措置を講じなかった者があるときは、その者に対し当該施設の使用の一時停止を命ずることができる。

(審議会の設置等)

第35条 本市の公害対策に関する事項を調査審議するため岩見沢市公害対策審議会を置く。

2 審議会は、市長の諮問に応じ、公害対策に関する重要な事項を調査審議する。

第36条 審議会は、委員20人以内をもって組織する。

2 委員は、学識経験のある者のうちから、市長が任命する。

3 委員の任期は2年とする。ただし、補欠の委員の任期は、その前任者の残任期間とする。

第37条 審議会に会長及び副会長を置き、委員の互選により選出する。

2 会長は、審議会を代表し、会務を総理する。

3 副会長は、会長を補佐し、会長に事故あるときはその職務を代理する。

第38条 審議会の会議は、会長が招集する。

2 審議会は、委員の過半数が出席しなければ会議を開くことができない。

3 会議の議事は、出席委員の過半数で決し、可否同数のときは会長の決するところによる。

第39条 審議会は、必要に応じ、部会を置くことができる。

2 部会は、会長の指名する委員をもって組織する。

3 部会には前項の委員のほか、専門の事項を調査させるため必要に応じ、専門委員を置くことができる。

4 専門委員は、市長が委嘱し、当該事項の調査が終了したとき解任されるものとする。

(委任)

第40条 この条例の施行に関し必要な事項は規則で定める。

(罰則)

第41条 次の各号の一に該当する者は、10万円以下の罰金に処する。

(1) 第14条の規定に違反した者

(2) 第33条の規定による命令に違反した者

(3) 第34条の規定による命令に違反した者

第42条 次の各号の一に該当する者は、3万円以下の罰金に処する。

(1) 第31条第1項の規定による検査を拒み、妨げ、又は忌避した者

(2) 第32条の規定による命令に違反した者

(3) 第15条第16条第19条第20条又は第21条第3項の規定に違反した者

(両罰規定)

第43条 法人の代表者又は法人若しくは法人の代理人、使用人その他の従業員がその法人又は人の業務に関し前2条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほかその法人又は人に対しても各本条の罰金刑を科する。

この条例は、公布の日から施行する。ただし、第13条から第30条まで及び第32条から第34条まで、並びに第41条から第43条までの規定は、公布の日から起算して9月をこえない範囲内において規則で定める日から施行する。

(昭和49年規則第26号で第13条から第30条まで及び第32条から第34条まで並びに第41条から第43条までの規定は昭和49年12月1日から施行)

岩見沢市公害防止条例

昭和49年4月1日 条例第24号

(昭和49年4月1日施行)

体系情報
岩見沢市例規類集/ 第2編/第7類 生/第2章 保健・環境衛生
沿革情報
昭和49年4月1日 条例第24号